映画『サーホー』の物語の流れと感想を織り交ぜて書くシリーズ第5弾です。いよいよ、最終回となりました。書いてて楽しかったので、ここで終わりというのが残念…。
映画『サーホー』ストーリーの流れと感想を①
映画『サーホー』があまりにもすごくて、にやにやが止まらない話
メモしつつ見てたのですが、画面に夢中になるあまり書き漏らしたことも多く。誤解や妄想が入り込んでいるかも知れませんが、ご容赦下さい。
Contents
登場人物
捜査チーム | |
アショーク | 覆面捜査官。サーホーのもとへアムリタを送り込み、なんとかブラックボックスを入手させようとしている。 |
アムリタ | ムンバイ市警の警察官。サーホーからブラックボックスを盗むようアショークに命令され、自らの意思でサーホーのもとへ来たものの…… |
ゴースワミ | 窃盗団捜査チームの一員。アショークに意見を言うものの、気づけばアショークの言いなり。でも、そのアショークは偽物だった。 |
シンデー署長 | ムンバイ市警の署長。ロイ・グループのナンバー2であるデーヴラージにブラックボックスの回収を命じられている。 |
アジャイ | ムンバイ市警の警察官。 |
窃盗団 | |
サーホー | ムンバイ市内で発生した高額窃盗事件の首謀者。ブラックボックスを入手したことで、大勢のファン(!)から狙われている。 |
デヴィッド | アショークの相棒。ハッカーの腕前も凄い。アショークの顔を知る唯一の人物、ということを利用して、警察を裏切りサーホーの計画に乗る。現在、サーホーと逃亡中。 |
ロイ・グループ | |
ロイ | ロイ・グループの首領。事故と見せかけて殺害された。 |
ヴィシュワク | ロイの息子。彼の存在は腹心のイブラヒムにしか知らされてなかった模様。父の生前の望みである新規事業の発展と、殺害の黒幕を探し出すことに全力投球中。早くブラックボックスを入手しないと、理事たちへの送金ができない。 |
イブラヒム | ロイの腹心。ロイ亡き後は、息子のヴィシュワクに尽くす。 |
デーヴラージ | ロイ・グループの首領になろうと画策中。自分を首領にしなかった父親プルドヴィラージを恨んでいる。 |
プルドヴィラージ | デーヴラージの父親。前首領。息子に暴力をふるわれ車椅子になってしまった。 |
プリンス | デーヴラージの味方。銀色のネックレスをつけている。 |
カルキ | ロイ・グループの法律顧問。理事たちへの送金ができるかどうか、やきもきしている。 |
話の流れ
ロイ・グループのビル
送金期限が7日後に迫り、カルキの表情がますます曇っています。
そこへデーヴラージがやってきてヴィシュワクに声を掛けます。「ロイの死後、君がきたことは聞いていた」とかいいながら。知っていたけど挨拶に来なかったけれど何か?ぐらいな勢いですね。俺は、お前を後継者と認めていない的な態度がにじみ出すぎ。
そして「ロイとは最後、あそこで話した。まさか、あんな事故が起こるとは……困ったときは電話を」と一方的に自分が言いたいことだけ言って帰っていきました。
逃亡先
まるでプールの下に部屋があるかのようです。
アムリタは、焼け焦げた自分のスケッチブックを見つけました。
サーホーを追跡してリゾートホテル内で銃撃戦となり、そのときに残念ながらスケッチブックは暖炉で燃えてしまった、はずでした。
ページを開くアムリタ。大きな石仏のイラスト、ピンク色の海に浮かぶ白いボート。すべてサーホーがイラストを見て現地へ連れて行ってくれましたね。
次は焼け焦げ、半分失われてしまったページ。左側に男性のアップ、右側は黒焦げ。本来、そこには女の子のイラストがあったはずでした。
そこへ後ろからやってきたサーホーが、アムリタの写真を差し込みます。
「完璧だろう?」
すると「私が喜ぶと思った?どう手を尽くしても本はもとに戻らない。私たちと同じ」そういって、暖炉へとスケッチブックを投げ入れてしまうのです。
「正気か?」と呆然とするサーホー。
「私たちは昼と夜。永遠にすれ違う」と悲しげにいうアムリタ。
ちょうど窓の外では日没を迎えようとしていました。
「昼と夜は共存できる。薄明かりの中で。信じたり恐れたりしながら。明けない夜はない」
窓の外には、サーホーが言う通り太陽と月が同時に見える光景が。
サーホーの言葉に納得したようなアムリタ、サーホーが彼女の頬に手を添え……
突然アムリタが撃たれてしまいます。ものすごい衝撃で彼女の身体が浮き、ガラス窓へと叩きつけられます。
そうなのよねぇ、このシーンの冒頭で、アムリタの衣装がなんか血痕を感じさせるような衣装だなぁ、嫌な予感するなぁ、って思ったんですよねぇ…。まぁ、関係ないとは思いますが。
麻酔銃が撃たれサーホーの首に命中。何人かは敵を倒しましたが、ついにダウンしてしまうサーホー。
そして、いよいよ登場しましたデーヴラージ。
頼んでもいないのに、自分が子供の頃の話を始めます。
自分は子供の頃、手間のかかる子供だった。自分のベッドで寝ないので「見かねた叔父がベッドの下の悪魔に喰われるぞ」と。それからベッドで寝るようになったものの、ベッドの下をのぞくと悪魔なんぞいなかった。
叔父に対して無性に腹が立ってナイフで刺した、と。いや、手間がかかるというか、子供の頃から暴力的なだけだったのでは…。
「悪魔はベッドの下でなく、俺の中にいる」。決め台詞。
自分にとって不愉快な行動をする奴がいることが許せないんだそうです。
そしてサーホーには、ブラックボックスの他に、もう1つ仕事をしてもらうというのでした。
プリンスが最初にサーホーと接触した時、なぜサーホーを連行するようデーヴラージは命じなかったのか不思議だったんですが。なるほど、彼の弱点を探し、それがアムリタであると分かったから今回仕掛けてきたわけですね。アムリタを誘拐していきます。
うぐ、許さんぞデーヴラージ。
ワージー
ワージー市警からサーホー捜索の許可を得たアショーク。さっそくワージーへと乗り込みます。これは、恐らくデーヴラージからブラックボックス回収を命じられているムンバイ市警の署長が手を回したんでしょうかね。
ワージー市警のジェニファーが、ワージー市内全域をモニター管理していること、情報管理は世界随一で、コードレッド時は人体飛行装置・ジェットマンの飛行も許されている、と説明。ほー。ワージーって犯罪都市って設定だけど警察の設備もすごいなぁ。
ところで2020年2月に、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで実際にジェットパック(ジェットエンジン付きの翼)を背負い空中飛行した映像が、こちらにありました。うわー、近未来ー。こんなに高く飛べるんだ!怖いなぁ。最後はパラシュートで降下。
一方、デーヴラージのためにロイ・グループの莫大な資金を盗むことになってしまったサーホー。デヴィッドとともに作戦を立てます。
まず金庫のある下の階に火災報知器型の爆弾を仕掛け、床をぶち抜く。そのまま金庫の重みで地下まで落下させ、地下に待機させてあったトラックの荷台に金庫を収納し逃げる、と。(で、3回めを見て思ったんですけど。この作戦ならブラックボックス不要だよな、って……恐らく、金ピカツインタワーを爆破する計画を準備するにあたり爆薬を準備したりするのに怪しまれないようにという、うん、たぶん、そのためですよね)
サーホーが裏切らぬよう彼が仕事をするまではアムリタを生かしておくつもりのデーヴラージ。
サーホーは仕事の下見でしょうか、狙っているビルの近くで解体予定のビルがあることをしりました。
一方デヴィッドは、金ピカビル(デーヴラージが住んでるビル?)から出てきて手袋を捨てるシーンが一瞬映ります。
ビルの屋上で、アムリタからもらった指輪を見つめるサーホー。良かった、ちゃんと持ってた。アムリタと再会したときにアムリタが床を転がしてきた、あのときちゃんとしまったのですね。オルゴールと指輪。絶対なくせない。
飲食店
デヴィッドが、どこかのビルをカメラで撮影していると「デヴィッド!」と声を掛けられます。振り向きざまに殴られるデヴィッド。
殴ったのはアショーク。元相棒を力いっぱい殴ったようです。
そしてビールを飲みながら話そう、ということになったのか。アショークの手元には、デヴィッドと妻子の写真が。
「娘に何をした?」と焦るデヴィッド。
「娘はお前の女房と一緒にいる。だが、その女房は俺が預かっている」
くっ、回りくどいぞアショーク!!
「万が一、逃げた時は心配しろ」ってことは、デヴィッドからビル爆破計画のことを聞き出し、サーホーを裏切るように命じたんですね。で、もし作戦を決行しないなら妻子のことはどうなってもいいんだな、的なことですかね。
いや、警察が脅していいの?!覆面捜査官なら、許されるの?!?!でも、これまで全くいいところがなかったし。少しは優位に立ったところもね、うん、仕方ない(何目線??)。
犯行当日
綺麗な女性たちに囲まれ優雅に足浴してるデーヴラージ。足浴に花びら浮かべちゃってるよ、私だってそんなことしたことないのに。
「サーホーはよく働く、褒美をやらんとな。女は奴に返してやれ。死体にして」
ほんと、最悪だ。
アムリタは目隠しをされ、男たちにどこかへ連れて行かれます。このときの車はISUZUでボンネットには”危”文字がペイントされてましたね。間違えていない。確かに、危険な人たちが乗ってました。
泡風呂で嬉しそうにゴジラを見てるのはプリンス。デーヴラージもプリンスも、めっちゃ美容に気を使ってるの?!
デーヴラージもプリンスも、同じ金ピカビルにいるようですね。デーヴラージもプリンスも金ピカツインタワービルに住んでるのかしら??
1人落ち着かない様子のヴィシュワク。チェス盤があって、その上に置かれたチェスの駒がいろんな形のビルになっています。そういえば、最後の方でカルキが金庫内に入るとチェスを囲んでる男性1人と、少年2人の写真があったような。あれって、少年期のサーホーとイクバールなのかしら。
そして、5分後に現場(資産が入っている金庫があるロイ・グループのビル)へ到着するというサーホーたち。急に運転していたデヴィッドが「アショークに会った」と助手席のサーホーに話はじめます。「家族をネタに脅され全部話した。今も盗聴されている」と。
盗聴していたアショークは、突然のデヴィッド打ち明け話にビックリ。現場にサーホーたちが到着次第、逮捕する計画に切り替えました。サーホーたちが現場に来なかったら、ヤツの負けだ、と。
するとサーホーが盗聴器に向かって話し始めます。誰よりも俺に詳しいはずのお前がミスをしたな、と。ロイ・グループビルを襲撃する作戦も、デヴィッドの家族のことも、すべて俺の創造物だ、と。なんと、デヴィッドに家族がいるというのは嘘設定!!今、アショークのところに捕まっている女性と子供はダミー!さすが、サーホー。弱みを握りデヴィッドにサーホーを裏切らせるよう仕向けるだろう、というところまで読んでいたんですね。
優雅に足湯してるデーヴラージのところへ、ヴィシュワクから電話が入ります。サーホーと取引したようだが、俺のほうも取引をした、と。ブラックボックスをサーホーからもらった見返りに、アムリタの救出を請け負ったようです。
人気のない路上で降ろされ、額に銃を突きつけられているアムリタ。すると、いきなり銃を持った男が倒れます。
アムリタ救出にイブラヒム出動!きゃーーーーー!(すみません、イブラヒム推しなもので)
きっとあれですよね、(ほう、あれが若様の好きなお方)とか思ったんでしょうね、うふふ。妄想が止まらない。車の車内から一歩も出ずにデーヴラージの手下たちをやっつけると、スーーーッと窓を締めて去っていくイブラヒム。かっこいいいいいいいい。
アショークたちはロイ・グループの資産があるビルの前へ急行します。しかし、そこへ来たのはデーヴラージの部下だけ。サーホーたちの姿はありません。
そこへ、またサーホーが盗聴器に向かって話しかけます。
「路上でクリケット遊びか?意識の高いプロは競技場で試合をする」的な。この時の盗聴器の持ち方が、これまた特徴的。中指だけを下に向け、他の指を立てるという。中指立てるの逆バージョン。
Hold your breath & fasten your seatbelts, the #SaahoStorm is set to take over every theatre near you! #SaahoInCinemas worldwide from August 30! #30AugWithSaaho #3DaysForSaaho pic.twitter.com/XztYHogtcl
— Saaho (@SaahoOfficial) August 27, 2019
いいなぁああ。IMAXバージョンでも見たいなぁ。大画面でサーホーやイブラヒムたちのあんな表情や、こんな表情みたい。
残念ながら私は「競技場?はて?」となりましたが、アショークにはちゃんと真意が伝わったようです。さすが覆面捜査官。サーホーが狙っているのは、デーヴラージたちのいる金ピカツインビルなのだ、と。
とはいえサーホーが向かったのは金ピカツインビルが見える別のビル。
デヴィッドは、これまたサーホーのいるビルとは別の工事中ビルで爆破装置のスイッチオン。
爆弾が爆発し、サーホーたちの予定通り凄い勢いで金庫が落下していきます。これには泡風呂に入っていたプリンスもぶっ飛ぶし、足湯をしていたデーヴラージもぶっ飛び。
そして、無事にトラックの荷台に収まる金庫。いよいよトラックがワージーの外へと走り出します。
しかし、そこは警察も動きが早かった。2台のトラックの前に立ちふさがる複数台のパトカー。
しばらくすると、古いビルの爆破解体が予定通り実行されます。
いや、大丈夫なの?!爆破解体するビルの下に、人がいないこと確認しないで爆破しちゃってますよーーーー!
そして、1人の警官が気づきます。このビルが爆破解体される、と叫びますが時すでに遅し。ものすごい爆風。それに警官たちが怯んでるすきに突破を図る2台のトラック。
別のビルで金庫が無事にトラックへ入ったことを確認したサーホー。ビルの外へ出て警察のバイクを拝借すると、2台のトラックを追いかけます。
警察は道の上にスパイクを敷いて邪魔しようとするも、トラックから秘密兵器がでてきて簡単にバリケード突破されちゃいました。サーホーが準備段階で、何かを溶接する様子がチラっと映りましたが、これを作っていたのかしら。
ついにジェットマンが出動。
なんとジェットマン、上空から爆弾を落としトラックを1台爆破。恐るべし。なりふり構わず。思わずアショークも「マジか」って言ってしまうレベル。
そして、もう1台のトラックも停止してしまいます。
そして、そして、またしても横転してしまうアショークの車。アショーク、今のところカッコいい場面が1つもない……。アショークファンの皆さま、ごめんなさい。
ワージー市警にいるムンバイ市警の署長。デーヴラージから、トラックはどうでもいいからサーホーを殺せ!と命令されます。
それを聞いた署長は、ワージー市警のおえらいさん?にスナイパーを出動させるよう要請したようです。スナイパーに同行することを許可されたアムリタもヘリコプターに搭乗します。
高速道路
パトカーがサーホーを追いますが、乗っているのは警察官じゃなくてデーヴラージの部下たちでは??
バイクに乗ったサーホーを重機で執拗に狙う者あり、上空からはヘリでサーホーを狙うものあり。絶体絶命!!サーホーは、ヘリコプターにアムリタがいることをちゃんと目視確認。
ヘリに乗っていたアムリタは高速道路上のサーホーを狙撃するスナイパーの妨害をします。けれど振り払われ、ヘリコプターに宙吊りになってしまうアムリタ。
ここの爆発シーンでも、スパナが飛んでました。スパナ好きなのかな、監督。これで3度め。どのシーンなのかは、こちらの中で書きました。
重機で追いかけてくるデーヴラージの部下たちを振り切り、なんとジェットマンの1人に飛びつくサーホー。
宙吊りになったアムリタを空中で救おうとしますが、タイミングが合いません。
ジェットマンとともにビルへ飛び込んだサーホー。ジェットマンの装備を借りる?と、ヘリから落ちてしまったアムリタのもとへ。
Can you imagine anything getting bigger than this💥💥💥#Saaho crosses 400Cr+ at BOs worldwide
Book tickets here : https://t.co/OBRvp9OcS3 #SaahoInCinemas pic.twitter.com/ULvVUWkWwT
— Saaho (@SaahoOfficial) September 9, 2019
しかし、機械が故障しジェットを捨てることになるサーホー。それでも、スカイダイビングでパラシュートをキャッチしたときのように、しっかりアムリタも空中キャッチするのでした。
でも2人ともパラシュートないんだけど……と思ったら、どうやら海の中へ落下したようです。
アムリタもサーホーも救助されたものの、サーホーは鎖でつながれ署長に連行されてしまいます。
そこへ問題発生!という無線の声が。
先ほど止めたトラックを開けてみたところコンテナ内は空だった、と。悔しがるアショーク。そう、アショークたち警察が追っていたのはダミーのトラック。
実際に金庫を乗せたトラックは、実はもう1階下の道路にいたようです。警察がダミーのトラックを足止めしてる間に、本物のトラックは順調に金ピカビルから逃げ出せていた、と。そして金塊は無事にワージーの外へ運び出された、と。
サーホーの所持品だ、といってアショークにオルゴールが手渡されます。
アムリタはデヴィッドの居場所をつきとめ合流します。どうやら、サーホーがデヴィッドと通信していたインカムを回収し、デヴィッドの居場所を調べた様子。
シンデー署長がなんだか怪しいと気づいたアムリタ。デヴィッドのパソコンにあった情報から、署長がアレックス・フェルナンデスという男性と関係があることを知ります。アレックスはアムリタ自身がクラブ・アルマーニで見かけた男性。事情を聞こうとアレックスを追いかけることにするアムリタ。
カラナ村
その昔、カラナ村は活気のある村だったようです。地下に眠る石油、そしてロイの支援を受け立ち退きをしなかったカラナ村の人たち。
しかし、カラナ村の石油を我がものにしようとデーヴラージが村を焼き払ってしまった、と。
「お前はデーヴラージに近づきすぎた。行く末を考えるだけで怖い。幸運を」そういってカラナ村にサーホーを置き去りにする署長。
胸にタトゥーを入れた男が、サーホーの前に立ちはだかります。
このタトゥーの人、一緒にロイ・グループの金庫を狙うためにサーホーといた人ですよね。ビルの前で警察に捕まってたはずなのに、高速道路の上では重機で執拗にサーホーを追いかけ回してたけど形勢不利になり海へダイブ、からのカラナ村。
素早すぎる。移動が素早すぎる。
ま、それはさておき。
いきなり劣勢なサーホーでしたが、どうやら相手がうっかりサーホーの鎖を切るようにわざと負けていたようですね。まずは足が自由になると、見事なチェーンの舞で相手を倒していきます。チェーンとプラバースさん。うん。
一方、アムリタは市場でアレックスを探し出すことに成功。
アレックスを掴まえ、クラブ・アルマーニで誰を見て逃げだしたのかと問いただすアムリタ。けれど、店員が持ってきた水タバコ用の炭が入った容器をひっくり返し逃走するアレックス。
この監督さん、煙の演出がお好きのようですね。水タバコの煙を吐き出す男性、アレックスのひっくり返した灰の白煙。からの、カラナ村の砂埃。これは巨大な扇風機を回し続けて撮影したんだとか。いやぁ、目に入ったり、大変そうだなぁ。
ここから先、映画では①ヴィシュワクとアショーク、②カラナ村で戦うサーホー、③ブラックボックスのこと、そして④アレックスを追いかけるアムリタのシーンが入れ代わり立ち代わり出てきます。
ですが、場所ごとにまとめて書いて見ようと思います。
ワージー市内
信号待ちしているヴィシュワクの車に近づくアショーク。ヴィシュワクの車の窓をノックしただけで、かなりのボディーガードから銃を向けられちゃうアショーク。車に同乗することを許されます。
ちなみにヴィシュワクが持っている携帯ってiPhone6sか6s Plusのゴールドかな、って思ったんですけど、どうでしょうね??
アショークは疑問に思っていることをぶつけます。
「実に壮大なゲームだ。どこから話を始めよう」と。そしてコインマジックをして、コインが自分の手から消えたことを見せつつ「消えた。仕方ない、大泥棒の話からはじめよう」と。
ムンバイ市内で発生した3つの高額窃盗事件を調べてみると、その被害者は3つともロイ・グループだった、と。しかし、ロイ・グループが騒いでいないということから窃盗は芝居なのだと推理したアショーク。
ブラックボックスを作ったのは、デーヴラージが奪った資産を奪うため。金の動きは解明できた。ではあの金庫に何をいれたのか?そしてヴィシュワクとサーホーとの関係が解けない、というアショーク。
アショークはサーホーのオルゴールを取り出し、ここにすべての答えがあるとでも?と。オルゴールの裏に書かれている文字を読もうとしますが、うまく読めないアショーク。
黙って話を聞いていたヴィシュワクが、初めて笑い、吸っていた葉巻を車のオープンルーフから捨てると、「知恵定まりし者その特徴やいかに。いかに座し歩むか…」と語りだします。
時として王国を守るため、王は自ら軍を率いる。王は自ら戦い、そして、再び王座につく。王が誰か分かったか?と。
まさに、王の帰還。
はー、このシーンもカッコよかったなぁ。ちょっとメモが追いつかなくて。画面に見惚れてたから。見惚れてた割に、まだアショークの推理を完全には理解できてなくて。もう1度劇場へ行くか、DVDを購入するか。いずれにせよ早くDVD出ないかなー。
カラナ村
圧倒的な強さでデーヴラージの手下を倒していくサーホー。
デーヴラージがカラナ村に到着したときには、相手側を全滅させてました。このとき、サーホーが顔についた血を片手で綺麗に拭き取るのが、毎度見事だなぁ、って。恐らく、映像をつなぎ合わせてるんだとは思うんですけど、見事に綺麗に拭うなぁ、って。
「ここまで厄介な男はいなかった」だの「お前の脳内を見てみたい」だの「俺から安眠を奪った男」だの好き放題いって、挙げ句に「決闘だ」って。もうサーホー散々戦ったのに、何が決闘だ、って。しかも自分は戦わないのに。ぶつぶつ。
デーヴラージが合図をしたのか、村のあちこちから武器を持った男たちが登場。いや、決闘って、せめて1対1じゃないの?!
「もっと相手をしてやりたいが時間がない。20兆だ。首領の椅子と帝国が待っている」
サーホーへと襲いかかる無数の人々。そして一人が金棒でサーホーに殴りかかりますが、微動だにしないサーホー。サーホーの顔すれすれで止まる金棒。
実は、サーホーはカラナ村の人々と事前に話をしていたようです。カラナ村はロイが15年かけて育てた。けれどもデーヴラージが一瞬で焼き払ってしまったのだ、と事前に話を聞いていたサーホー。
気づけばデーヴラージの部下たちがカラナ村の人たち(といっても一般的な住民ではないと思いますが)に攻撃されています。突然の形勢逆転に唖然とするデーヴラージ。
そして砂の中から再び建て直されるロイ・グループのシンボルマーク。
サーホーが語り始めます。
「父と生きるために20年待ち続けた」と。父のいない土地で育ち、本当は父について行きたかった。
ようやく父親から「一緒に暮らせる。明日、みんなに公表しよう」とテレビ電話で会話をしていたサーホー。
どうやら親子はムンバイで落ち合うことになっていたようです。ロイが最後に電話をしていた相手、それはサーホーだったことが分かります。事故現場で繋がったままの電話。父親に呼びかけるサーホー。
横転した車から、なんとか這い出ようとしているロイ。そこへ「ロイ、ロイ、ローイ。意外な結末か?道端で野垂れ死にとは。覚悟しろ。この時を待っていた」そういって銃を向けたのはデーヴラージ。その後、36発もの銃声が聞こえたようです。
父親に会ったら、直接伝えようと思っていた「愛してるよ父さん」と言う言葉を生前の父に伝えられなかったサーホー。
ロイの亡骸に付き添っていたイクバール(のちにロイの息子・ヴィシュワクを演じる)は「誰一人容赦するな全員ぶっ殺す」と息巻いています。イクバールに「ロイの望みを叶えなければ」となだめるイクバールの父・イブラヒム。時計は午前2時50分ぐらいだったような。
イクバールはヴィシュワクを名乗ってすぐ、プリンスに殺害されそうになった時も、ものすごく怒り狂ってイブラヒムに止められてましたけど。結構、血の気が多いというか、感情的になってしまう感じなのかな。頼もしい反面、ちょっとイブラヒムも心配かも(いや、完全に個人的妄想です)。
このときのイクバールは茶髪なんですね。ヴィシュワクになるにあたり散髪し、髪の色を替えたのはサーホーの髪色と合わせたのかな。
デーヴラージたちを成敗し、「もうあとは若い二人で」ってサーホーとイクバールにロイ・グループを任せようとするけれど。「自分にもイクバールにも経験が足りない。どうか、もう少し残って欲しい」ってサーホーから説得されるイブラヒムが私には見えます(人はそれを妄想と呼ぶ)。
閑話休題。
そしてサーホーは、父親に撃ち込まれた36発と同じ数だけ礼をしてやる、と決意を固めます。
「あの日、殺すことも出来た。帝国の最後を見届けて死ね」それがデーヴラージが聞いた最期の言葉となりました。
駐車場
サーホーをカラナ村に送った署長。どこかの駐車場で車を止め、車内で待機をしています。ふと後部座席を見ると銀色の箱が。
箱を開けてみると1つライターが入っていました。そのライターこそ、自分がロイ暗殺現場に落としてしまったライター。偽アショークを演じるサーホーに、このライターはアンティークで片割れが揃うと美しい、と自慢していた、あのライター。
署長室で署長と話しながら、サーホーが執拗にライターをカチカチしていたのは、自分の父親を殺した人間が目の前にいたからなのですね。憎しみを押さえるのに必死だったのでは……。
持っていたライターと、箱に入っていたライターを合わせてみると、動物の模様?が浮かび上がり、室長の顔には驚き、と共に、分かったんだと思います。サーホーこそがロイの息子なのだと。いや、そこまでひらめく前に爆発しちゃったかなぁ。あの爆発の大きさこそが、サーホーの怒りの大きさのようにも見えたり。
ブラックボックス
サーホーからブラックボックスをもらったヴィシュワクは、ロイ・グループのビル内にブラックボックスを保管。理事会が終わるまで死守するようボディーガードに言って出掛けていったのですが。
ボディーガードの1人が電話をしつつ、その部屋へ戻ると他のボディーガードたちが殺されていました。電話の相手は、「組織内の通話記録を調べたら情報を横流ししている人物が見つかった。その名前は…」。するとボディーガードのすぐ後ろから「カルキ」という声が聞こえます。その声はカルキ本人で、ボディーガードの後頭部に銃を突きつけます。
「身勝手な女め!」と叫ばれ「男どもは身勝手に振る舞う。女が男以上に身勝手に振る舞って何が悪い」と言ってボディーガードを射殺。
ここ、もったいないなぁと思ったのは私だけでしょうか。もう少しだけカルキの過去も触れておいてくれたらなぁ、なぜ彼がロイやイブラヒムを裏切ったのか、デーヴラージ側についたのか。それがあれば説得力が増したのではないか、なんて素人ながら思ってみたり。
あまり1人1人の過去を出すと話が長くなるし、スピード感もなくなっちゃうかぁ。でも、個人的には悪役には悪役の言い訳があると、それが魅惑的な悪役を作り上げることもあるんじゃないかと思ったり。まぁ、カルキはそれほどの、って悪役ではないから、そんなにピックアップされなかったんだろうけども。
無事にブラックボックスの存在を確認すると、デーヴラージに報告するカルキ。ブラックボックスを持って、ロイ・グループの資産が隠されている金庫へと向かいます。
本来は金庫へ向かうエレベーターもヴィシュワク(と、たぶんイブラヒム)の指紋でないと動かないようですが。以前、パソコンについたヴィシュワクの指紋をちゃっかり盗んでいたようです。盗んだ指紋でエレベーターに乗り込むカルキ。
金庫の前でブラックボックスをセットし、金庫の鍵が開きました。
中へ入ると、レコードがかかり始めます。
そして無数の写真や、展示ケース。
カルキは、ついに見てしまいました。ロイと、その後ろに立っている男性・サーホーの写真を。ヴィシュワクは本当の息子ではなく、サーホーこそが本物のロイの息子なのだと。
ショックで倒れてしまうカルキ。いつも手にしている呼吸器系の薬に手が届かず、絶命。
アムリタ
ようやくアレックスを追い詰めたアムリタ。
アレックスがクラブ・アルマーニで見かけた人物は、自分が誰に銃を売ったのか聞いてきた相手だったのだと白状します。アレックスが銃を売った相手はラール・バンガロー。
そう、アムリタの登場シーンでアムリタが捜査していた、あの3人殺害されたうちの1人がラール・バンガロー。
アムリタは気づきます、あの事件の真犯人がサーホーであることに。
ここ、展開が早くて、劇場ではまったく理解できてなかったのですが。たぶんサーホーは、ロイ暗殺に関わった人物に武器を売ったのはアレックスだという情報を得たのかな。それとも、そういう武器を販売しそうなのがアレックスだったのかな。で、アレックスが武器を売った相手=暗殺者の名前を知ったのかな、と。
どうりで殺害された順番や、3人目は1時間後に現れた、ってアムリタに説明できた訳ですよね、サーホー。そのときは、アショークを装っていたけど。
自分がラール・バンガローの名前を見知らぬ男(サーホー)に話してすぐ、ラール・バンガローたちが殺されたことを知ったアレックス。あの見知らぬ男(でも、自分の命は助けてくれた)が犯人だと確信したのでしょう。だから、自分ももしかしたら殺されるかもしれないと思ってクラブ・アルマーニから逃げたのかな、と。
理事会
ロイ・グループの理事会が開かれようとしています。集まった理事たちは、デーヴラージが殺されたという情報が入ったようで、ざわざわしています。
イブラヒムが現れ、「重要な報告があります。長年、機密であったロイの息子が来ています。以前、皆さんにロイの息子・ヴィシュワクと紹介した人物は身代わりで、自分の息子イクバールです」と。
プリンスは廊下で誰かと電話をしています。「デーヴラージが死んだ?ふざけるな!」と。すると音もなく忍び寄られ、喉を刺されるプリンス。廊下の突き当りで、それをヴィシュワク、否、イクバールが見届けていました。デーヴラージとプリンスという反乱分子の処罰に成功。
ヘリコプターでカラナ村から理事会へと向かうサーホー。
そしてイブラヒムが名前を呼びます、Siddhant Nandan Saaho!!
片手をポケットに入れ、颯爽と入ってくるサーホー。めっちゃかっこいいから。足首の見える丈のスーツ、めっちゃカッコいいから。
そして、なんの躊躇もなく王座につき足を組むサーホー。この貫禄。このカッコよさ。
前首領のプルドヴィラージ自ら片手で机をたたき始め、サーホーの就任に賛同するのでした。あとに続くイブラヒム、そして理事の人々。
エンディング
数カ月後のオーストリア・インスブルック。
朝9時、アムリタが歩いています。街頭モニターでは、ちょうどニュースが流れています。ロイ・グループが農村開発を始め、電気のない村々への電気の供給がスタートする、と。
足を止めて、そのニュースを見ているアムリタ。
ふと、人影に気づき、誰かが自分をつけているのではないかと思った、そのとき
「言っただろう。影になって君を見守ると」という声に振り向くと、そこにはサーホーの姿。
「ここ(額)は撃つな、胸を撃て。胸の中に君がいる」
これは、あの、ホテル内で銃撃された時の、あのアムリタの言葉への返事ですね。
「ここ(胸)は空っぽ。すべてはここよ」と眉間に銃口を向けられたときの、あの返事ですね。くぅううう。自分はアムリタを利用するために愛するふりをしたんじゃない、本当に愛してるんだ、ってことですよね。くぅううう。
分かってたけど。分かってたけど、やっぱりアムリタはどこか信じきれてなかったんでしょうねぇ。
サーホーの右手薬指に自分の贈った指輪があることを確認し涙を浮かべるアムリタ。
抱き合う2人からカメラが引いていくと、建物の上からサーホーを狙っている人物が!そして、それに気づいているサーホー。かっこよすぎる。
こ、これは2作目もあっていいのでは?!
登場シーンで傘越しの左目、そしてラストでアムリタごしの左目。いいですねぇ、好きだなぁ、この演出。
そうそう、アムリタは黒い楽器ケースのようなものを持っていましたかね??なぜ、彼女はインスブルックにいたのか。絵を描くのが好き、という設定だから楽器よりもスケッチブックとかだったら、もしかして警察やめて絵の道に進んだのかな、と思った(というか妄想した)んですが。
サーホーがロイ・グループの首領ということを知って、距離をおいたのかなアムリタ。警察官かと思っていたら窃盗犯、と思っていたら、ロイ・グループの首領。ますます、自分が好きなっていい相手ではないと思ってしまった可能性もあるのかなぁ。
サーホーは首領になって、まずは大忙しだっただろうからアムリタが姿を消したのを把握しつつ、どこへ行ったかも完全フォローしつつ、ようやくのインスブルックなのかしら。ええ、自分でも、どこまで何のために妄想しているのか分からなくなってきました。
まとめにならないまとめ
長々と書いてまいりました。ふぅ。満足。
まだ勢いだけで書いてしまったところあり、少々自分の中でつながっていない部分あり、これはまた見なければ、と思っています。
Blu-ray、DVD化されるときには、字幕のほかに、よりセリフに近い字幕、があったらなぁ、なんて夢を語る私。それだったら、もっとつながる部分があるんじゃないかなぁ、なんて夢を語る私。
アクション満載、プラバースさんの衣装替えとカッコよさがこれでもか、これでもかと見られ、恋の切ないシーンあり、楽しいシーンあり。ロイとイブラヒムの渋さにもしびれました。
新型コロナウイルス感染拡大で、もしかしてもう劇場で見られないのではと心配していたので、劇場で観られることが出来て本当に良かったです。
まずはサウンドトラックの発売が楽しみです!
ロイ・グループのトレードマーク。あの缶バッジとかあったら絶対購入するのになぁ。あと、衣装とセットに関する本とか。セットだけで98ぐらいあった、ってメイキング映像にでてましたし。
そして、まだプラバースさん主演の『バーフバリ』をご覧になっていない方は、ぜひ。ぜひ、ご覧いただきたい。
人生の、すべてが詰まっている『バーフバリ』。心の底からオススメです。