江戸東京博物館で開催中の【大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演】。
展示室の最初に主催者側からの挨拶文パネルがありまして
世界および日本中から、可能な限り、摺り・保存ともに優れた良品を集めました
とあった通り、本当にこれは刷られてから200年以上経過している浮世絵なんだろうか??と思うほど色鮮やかで折り目もない作品の多い展示でした。
歌麿、写楽、北斎、広重、国芳。どの絵師の作品も見たことはあったものの、今回一気に見られたことで、その個性と表現方法の違いがより深く分かった気がします。そして、やはり彫師さん、摺師さんたちの優れた技量に驚くばかり。手で描いたのかと思うほどの表現力。色がずれることなく仕上がっていることに驚くばかりでした。
開催概要
開催場所 | 江戸東京博物館 1階 特別展示室 |
開催期間 | 2019/11/19(火)〜2020/1/19(日) |
開館時間 | 9:30〜17:30(入館は17:00まで) 土曜日は19:30まで(入館は19:00まで) |
休 館 日 | 月曜日(2020/1/13は開館)、2019/12/28(土)~2020/1/1(水・祝) |
公式サイト、江戸東京博物館の公式ツイッター | |
出品リスト | 東京会場(東京会場では展示されない作品名も含まれます) |
5人の絵師について超絶簡単なまとめ
生年〜没年 | 活動時期 | |
喜多川歌麿 | 1753頃〜1806 | 1775頃〜1806 |
東洲斎写楽 | 不詳 | 1794〜1795 |
葛飾北斎 | 1760〜1849 | 1779〜1849 |
歌川広重 | 1797〜1858 | 1818〜1858 |
歌川国芳 | 1797〜1861 | 1814頃〜1861 |
※ 活動開始時期は、デビュー作が描かれたと思われる年にしています
葛飾北斎以外の4名の平均寿命が58.75歳。葛飾北斎は、その1.5倍も長生きしたとはいえ3万点もの作品を生み出したというのは驚異的だなぁ、と。
展示内容
第1章 喜多川歌麿
久しぶりに浮世絵を見ると、ついつい正面からのみ見てしまうのですが。少しかがんでみると、背景部分に塗られた”きらきら”が美しくて。正しくは「雲母摺り(きらずり)」というそうで。
あと、おくれ毛や髪の細さと美しさ。どうしたら、こんなに細い線が彫れるのか??と。
あとあと、「空摺り(からずり)」という、色ではなく今でいうとエンボス加工みたいな凸凹で帯や襟の部分を表現する技法が美しくて。
ミネアポリス美術館より出品されたもの
会期中に江戸東京博物館で展示された作品をご紹介しています。現在は展示されていないものもありますので、ご注意ください。
前期展示の一番最初に、この作品が展示されていたと思うのですが。これを見た瞬間、「これは、この展覧会は、間違いなく面白そうだ」と。その輝く美しさに見惚れました。そのあと、色んな作品で何百回も見惚れるわけですが。
着物の柄も色合いも美しい。
ちなみに、前期展示と書きましたが正確には会期は8期に分かれております。一番大きく展示が入れ替わるところで前期と後期と勝手に名付けました。ご了承くださいませ。
仁和嘉は”にわか”と読み、毎年8月に芸者さんたちが街頭で即興の寸劇を演じたんだそうです。一体、どんな感じだったんでしょうねぇ。
これも着物の柄が美しかったなぁ。『難波屋おきた』と『高島おひさ』は対で作られた作品なんだとか。
当時は額縁に入れたりとかせず、壁とかに貼って楽しんでいたんでしょうかねぇ。それとも、大切に箱に入れてたのかなぁ。当時の人は当たり前のように楽しんでいたから、まさか200年後にこんなに大切に見られてるなんて思いもしないでしょうねぇ。
うちの先祖が購入して、代々大切に受け継いできてくれてたなら……いや、うちの家系はそんなに長く続いている気がしないけれど。
笠の透けている感じが見事すぎて、しみじみ見つめてしまいました。
煙と、煙たがってる女性の表情が面白くて、そこばかり見ていました。一生懸命に火を起こしている女性に文句も言えず、煙に耐える女性。
左下で茄子を剥いている女性を見て思い出したツイートが↓こちら
以前、「スマホしてるかと思った」とツイートされていた歌川国芳の「江戸じまん名物くらべ こま込のなす」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)。言われるとそんな風に見えてくる…「大浮世絵展」での展示は今日まで! pic.twitter.com/Szw3PJz0Kw
— 大浮世絵展 名古屋【公式】 (@ukiyoe_ten) April 19, 2014
そうか、あれは歌川国芳の作品だったのか。 でも、今回の喜多川歌麿の女性もスマホ見てるみたい。ふふふ。
本当に髪の毛が水に濡れてるみたいに見えました。
江戸東京博物館より出品されたもの
『高島おひさ』
『 風流子宝合 大からくり』
第2章 東洲斎写楽
江戸東京博物館より出品されたもの
東京国立博物館より出品されたもの
※画像はすべて、東京国立博物館提供のコンテンツよりお借りしました。画像をクリックすると、そのページに飛ぶようになっています。
第3章 葛飾北斎
ミネアポリス美術館より出品されたもの
ミネアポリス美術館も良い作品を沢山所蔵されてるなぁ。
江戸東京博物館より出品されたもの
『冨嶽三十六景』より20作品。
『鷹』 ちょっとふざけたような鷹の表情が面白いのと、この図柄で仰いだらなんだかすごい風速がきそうで涼しく感じそうだな、と。
第4章 歌川広重
ミネアポリス美術館より出品されたもの
版木の木目が面白いな、と。これは狙ってたのか、たまたまなのか??
第5章 歌川国芳
どうしたことか、歌川国芳だけすべての作品に所蔵先が記載されていないという。すべて個人蔵???
購入したグッズ・図録
絵はがき
私が購入した絵はがきが、たまたまそうだったのかもしれませんが今回の展覧会用に作られた絵はがきではありませんでした。もしかしたら、あったのかも??いずれにせよ、ものすごくたくさん絵はがきがあって迷うという感じではありませんでした。
図録
ずっしり幸せな重みです。重いから諦めてしまった方、行かれないけれど図録は欲しいなぁという方、通販もございます!(回し者ではありません)
落雁
包装紙からして、もう可愛らしい。
そして、カラフル。
アクリルキーホルダー
なんと、全55種。こんなにも沢山種類があるなんて。
図柄は、歌川国芳の『其まゝ地口猫飼好五十三疋』の猫たちから。
袋の大きさは約9センチ四方。
私が引いたアクリルキーホルダーは、尻尾の先から前足の一番長いところまでが7.5センチぐらいです。結構な迫力です。
どうやら、うちの子は二川という地名のところに出てくる猫のようです。
上の絵はがきは今回の展覧会で購入したものではなく、2017年に府中市美術館で開催された【歌川国芳 21世紀の絵画力】で購入した絵はがきです。
真ん中の絵はがきの右下あたりをご覧ください。
A4ダブルクリアファイル
前期展示を見に行ったとき、最後の最後まで買おうかどうしようか迷って。でも、もうクリアファイルすんごい持ってるから。恐ろしく持ってるから、しかも使えないまま。否、初めから使うつもりのないクリアファイルが沢山あるから。
と、思ったものの。
もう、この機会を逃したら買えないと思って。
北斎、写楽、国芳のコラボ。本人たちにも見せたかった!?どんな反応するでしょうねぇ。デザインも好きなんですけど、クリアファイルの素材がマットな感じなところも好きなんです。やっぱり買ってよかった。