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映画『レディ・プレイヤー1』は未来のお話のようでいて現在のお話のようでもありました。

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

やはり映画館の大画面で観れば良かったなぁ、と今さら後悔しつつパソコンで見ました『レディ・プレイヤー1』。
作品のあらすじと、ネタバレ感想です。

 

あらすじ

場所は2045年のオハイオ州コロンバス。暴動を起こしても現実が変わらないことに諦めを感じた人々は、ヴァーチャルの世界に入り浸ることで自分のなりたい姿になったり、行きたい場所へ行ってみたりという願望を満たす人が多くなった。なかには、バーチャル世界の戦いでコインを稼ぎ今の生活から抜け出そうと一発逆転を狙う人もいた。

そのヴァーチャル世界”オアシス”を作ったのはジェームズ・ハリデーとオグデン・モロー。ハリデーが亡くなると”オアシス”内に3つの鍵を隠したこと、そしてそのすべてを集めた人が自分の遺産(56兆円)を引き継ぎ、かつ”オアシス”の運営もできる権利を手に入れられると発表された。

主人公である17歳のウェイドも、その鍵を見つけようと挑戦していた。個人だけでなく”オアシス”の運営権を手に入れようと企業ぐるみで鍵を見つけようとするIOI社も参戦。ハリデーの死後、5年経過してもまだ1つめの鍵が見つかっていない状態で、誰がその鍵を見つけることができるのか?

登場人物

登場人物 役 柄
ウェイド・オーウェン・ワッツ/オアシスでは”パーシヴァル”と名乗っている 物語の主人公。早くに両親を亡くしおばさんのところに身を寄せている。
ジェームズ・ドノバン・ハリデー ヴァーチャル世界”オアシス”創設者の一人
オグデン・モロー ヴァーチャル世界”オアシス”創設者の一人
エイチ(オアシスでの名前) ウェイドのオアシスでの友人。メカニックに強い。
ダイトウ(オアシスでの名前) ウェイドのオアシスでの仲間。
ショウ(オアシスでの名前) ウェイドのオアシスでの仲間。
アルテミス(オアシスでの名前) 鍵を探す”ガンター”の一人で謎の美女。
ノーラン・ソレント IOI社の社長。人海戦術で必死に鍵を探そうとしている。

 

原作

原作は『ゲームウォーズ』という作品で、1980年代のポップカルチャー作品(映画やゲームなど)が映画版よりも登場しているようです。

作者のアーネスト・クラインさんが書いた『アルマダ』という作品も現在映画化が予定されているそうです。

ネタバレなし感想

”オアシス”創設者の一人ハリデーは、1980年代のポップカルチャーを愛しているという設定なので当時の映画やゲームなどが沢山でてきます。
あぁ、懐かしい!と思うものもあれば、これは名前しか知らないなぁとか。作品を見たあとウィキペディアで確認してみましたら、とても有名なキャラクターが出ていたそうなんですが全く気づいていないことが結構ありました。気になったものを再度見て確認したかったのですが、残念ながらレンタル期限が切れてしまったのでした。もしこれからレンタルで見られる方は、余裕のあるときに見たほうが答え合わせというか確認ができて2度楽しいのではないかと思います。ただ、ポップカルチャーに詳しくなくても映画は十分に楽しめると思うので(私も、ほぼ分かっていないで見ました)さほど気にする必要はないかと思います。知っていたら、より楽しく見られるということで。

設定が2045年ということでそう遠くはない未来なのですが、あながち作品と同じような状況になってもおかしくないかも、と思うと少し空恐ろしいというか、より作品の世界がリアルに思えてきました。今ですら一攫千金を夢見て宝くじを購入したり、現実世界からの逃避でゲームに打ち込んでしまったりしているのに(はい、私のことです)貧富差のさらなる拡大、自然環境の破壊による汚染などなどが進んだら……むしろ”オアシス”の登場を待ち望むようになっていたらどうしよう。いや、事実は小説より奇なり。”オアシス”では食事・睡眠・トイレ以外はすべてできるという設定でしたが現実の2045年には、それが1つとか、すべてクリアできているかも?!?!なんて妄想までしてしまいました。

スリルあり、謎解きあり、現実とバーチャルの二重構造も個人的にとても楽しめました。

 

ここから先は作品のネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください!

 

ネタバレしつつ感想

一番好きなキャラクター

この作品で私が一番好きなキャラクターは、オグデン・モローです。私が好きな俳優さんであるサイモン・ペッグさんが演じているから余計に思い入れが強いのかもしれませんが。

ハリデーとともに”オアシス”を創設し、数年後に引退とだけ最初に紹介がありました。しかし作品が進むにつれ、親友であるハリデーが片想いした相手と結婚したとか、ハリデーの”オアシス”運営に異を唱えてハリデーに疎まれ”オアシス”運営から外されてしまったということが判明。ハリデー、なんだか可哀想。モローはお金も人生の伴侶も手に入れて悠々自適の生活を送ってるのかしら……。

なんて思っていましたが、3つの鍵を探し出した主人公のもとに”オアシス”運営の書類手続きをしにやってきたモローにびっくり!かつ、ハリデー記念館の案内人もモローだったのね!!
ハリデーはモローと仲違いしてしまったことを、ずーっと後悔し続けて。自分の死期を悟ったときに、思い切ってモローに連絡したのかしら。自分の死後に考えているプランと、それをサポートしてくれる人物としてモローしかいないと思ったのかしら。もしかしたらハリデー記念館の運営もハリデーから内密に頼まれて、自ら案内人として有望な人材にあたりをつけていたのかしら。かしらかしらばかりですが。

主人公が記念館へ行くと「私の貴重な時間をまた邪魔しに来たのですか」みたいに案内人(モロー)が嫌味をいいますが。案内人が顔を覚えるほど、主人公は熱心にハリデーのことを知ろうとしていると感じていたんでしょうね。ただのお金目当てでなく、ハリデーと自分が作った”オアシス”を大切に、そして正しく運営する人物が現れるのを案内人に扮してずーっと待っていたんですねモロー。ハリデーは、モローに”オアシス”運営を預けようとは思わなかったのかしら。もしかしたら、そういう話もしたのかな、でもモローは断ったんだろうなぁ、なんて妄想。もっと若い人にこれからの”オアシス”を託したいという気持ちがあったのかもしれないし。

2029年のハリデーとモローが徹底的に決別するオフィスパーティーのシーンを何度も案内人として見なきゃいけなかったモローの気持ちを考えると、辛かっただろうなぁと。でも、そこが1つめの鍵を見つける大きなヒントであることも分かっていたんでしょうか?ライフコインを主人公にあげたのも、偶然ではなく、この人なら鍵を見つけ出せるかもしれないという応援の気持ちだったのかも?なんて。

主人公が”オアシス”を受け継いで、最初にモローとコンサルティング契約をしたのもポイント高いし、モローが25セントでそれを引き受けたところも好きでした。

ハリデーが後悔していた、バーチャルだけじゃなくて現実の生活も大切にすること、そして仲間と作り上げていくことの大切さを主人公がちゃんと汲んでこれからも運営してくれることを願います。って、映画のなかでの話ではありますが、今の世界にも、これからも重要なことな気がしました。

悪役だけど、どこか憎みきれない

IOI社の社長。”オアシス”をのっとって、事業拡大を狙っているけれど。無防備に大事なパスワードを貼っておいたり、ヴァーチャルの世界に必要なスーツを自分一人で着られなかったり、暴力的なことを自分でしたことはないんだろうし、ポップカルチャーに疎くてイヤホンで必要な情報を教えてもらってたりと、かなりのダメダメで。
よくまぁ、それで世界2位の企業の社長さんになれましたね?という。

でも、自分に足りないポップカルチャーの知識は、そういう知識に長けた人たちを集めて”ハリデー研究チーム”を立ち上げ、暴力でものごとを進めたいとき現実世界ではフナーレ・ザンダーに、バーチャルの世界での暴力的なことはアイロックに任せるという。ある意味、適材適所に人材を見極めるのが得意ということになるのかしら。いや、それは良く言い過ぎでした。金や地位さえ上げてやれば人間は言うことを聞くと思っている嫌な奴であることに変わりはないんでした。そういう意味では、社長にとって現実の方がよっぽどバーチャルなのかな、と。自分で手をくださなくても、血を見なくても誰かを傷つけたり、殺せたりできちゃうんですものね。

最後の最後で結局自分では手を下せず、ザンダーにはパトカーのなかで殴られるという、とほほな社長でありました。

仲間

仲間のなかで一番好きなのは、エイチです。謎の美女・アルテミスに夢中になる主人公を「ヴァーチャルの世界での姿を信用するな、男かもしれない」と諭すシーン。あれ、実は自分のことだったんだな、という設定が好きです。
そう、ヴァーチャルの世界なら自分のなりたい姿になれる訳で、自分の容姿も性別を変えることができるんですものね。それは匿名でできるSNSも同じことが言えるわけで。そういう点も、現在の世界に近いと感じました。なりたい姿になるのが悪いという意味ではなくて、それを悪用する人がいるかも知れない、ということの注意喚起というか。

それにしても『シャイニング』の世界に放り込まれてしまったエイチの可哀想なこと。私自身もエイチ同様に『シャイニング』見ていないので、余計に恐怖を感じました。

最後に溶鉱炉で親指立てて沈んでくエイチ。ごめんね、ヴァーチャルと分かってたからこそ笑ってしまいました。

まとめ

『レディ・プレイヤー1』は続編があるという情報もあるそうで。どんな内容になるのか、今度はどんな映像やポップカルチャーとのコラボレーションが見られるのか楽しみです。続編は、必ず映画館で観たいと思います。

 

ABOUT ME
コアラ
館ファン倶楽部の管理をしているコアラです。 週末は映画館か美術館にいることが多いので、家族からは「今日はどこの館(かん)へ行くの?」と聞かれるようになりました。 皆さんのお役に立てるような館情報を提供していけたらなと思っています。

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