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【京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ】展へ行ってきました

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます
平成館 快慶・定慶のみほとけ展

現在、上野・東京国立博物館のなかにある平成館で開催中の【京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ】展へ行ってきました。

平成館はエスカレーター(もしくは階段)を上って左右に展示室があります。今まで私が行ったことのある特別展は、その左右の展示室を使って1つの特別展を開催していたもので。
今回のように左右の展示室が別々の特別展、つまり、特別展が2つ同時開催されているというのが新鮮でした。こういうときもあるんだ!と。

いつも平成館へ行くときは、個人的にかなりの気合と体力が必要なのですが
(なにしろ大小さまざまなものがあるとはいえ、展示数が150点とか珍しくないものですから)今回は、気持ち的にも体力的にもゆったり見ることができました。

 

開催概要

 

会  期 2018年10月2日(火) ~12月9日(日)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休 館 日 月曜日
そ の 他 同時開催の特別展「マルセル・デュシャンと日本美術」(2018年10月2日(火) ~ 2018年12月9日(日))は別途観覧料が必要。

「マルセル・デュシャンと日本美術」と「快慶・定慶のみほとけ」が両方見られる2展セット券も発売中。

2展セット券は、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、展覧会公式サイト、ローソンチケット[Lコード:31493]、セブンチケットほかで発売中。

 

構成(そして展覧会の公式アカウントさんが素晴らしい!)

 

展覧会で自分が見たもの、ここのこれが素敵だった、とか。あそこのあれが面白かった、とか写真入りで説明したいな〜、でも写真撮影不可だしな、ということありませんか?

メモはしたものの、どうにも表現力が足りなくて文字だけでは表現しきれない!っていうジレンマありませんか?(私の語彙力と表現力が足りないだけかも)
でも、今回はツイッターの公式アカウントが梱包の様子から展示される仏像の紹介まで細かく発信してくれるから本当にありがたいです。
貸し出す側の事情とか制約があるだろうし、全部が全部ツイートで紹介するのは無理だとしても。やはり、代表的なものだけでもこうやって(できれば今回のようにちょっと舞台裏まで)見せてくれる公式アカウントがこれからも増えますように。

大報恩寺の歴史と寺宝ー大報恩寺と北野経王堂

 

 

聖地の創出ー釈迦信仰の隆盛

行快作「釈迦如来坐像」

現代風に感じるのが不思議だなぁ、切れ長の目がキリリとかっこいいなぁ、というのが第一印象でした。光背ごしの影までもが美しかったです。しばらく見とれていました。
図録には光背を外した後ろ姿も掲載されています。

快慶作「十大弟子立像」

「影までもがリアルすぎて怖い」という声が何人もの人から聞かれた大迦葉。

私のメモに「歯がキレイ」と書いてあるのが須菩提と羅睺羅。

個人的に好きなのは阿那律。釈迦の説法中に眠ってしまったことから不眠不休の誓いを全う、それが故に失明してしまったという阿那律。

そして富楼那。その眼力、そして自信に満ち溢れた表情!
なるほど、これなら説得されてしまいそうという面持ちでした。

すべての像がツイートで紹介されているのです、よろしければ公式アカウントを御覧くださいませ。

どの像も360度見られるのですが、時に後ろ姿が恐ろしいぐらいに人っぽい。恐ろしいというのも、おかしな表現ですが。あまりにもリアルで恐ろしいというか。迦旃延の頭の後ろにあるシワとか、背骨が出ている舎利佛像の背中のリアルさ。ぜひ、現地で体感してくださいませ。

 

六観音菩薩像と肥土定慶

NHKの『サラメシ』という番組で仏像の梱包作業が傷害されていたのですが、千手観音様の手は厳重に梱包されていました。

六観音菩薩像は想像していたよりもずっと大きな像で、如意輪観音菩薩坐像以外は像高175センチ以上!!そしていずれも一木造り、もしくは一木割矧造りだそうです。一体、どれぐらい大きな木材から彫り出していったのか、そもそも一木から一つの像を作れるのは何故なのか??不器用すぎる私からすると不思議で仕方ありません。

私が見たのは後期展示だったので、光背ははずされ像の後ろの壁に展示されていましたが前期展示では光背がついた普段のお姿で展示されていたそうです。如意輪観音菩薩坐像の光背も素敵でした。

前期展示は光背があり、後期展示は光背を取り外すというのは風の噂に聞いていたのですが。後期展示では光背は見られないのか、残念と勝手に残念がっていたので光背が展示されているのを見て嬉しくなりました。

誰にも聞かれてないけれど私が六像のなかで一番好きなのは、馬頭観音菩薩立像です。

 

写真撮影可能な聖観音菩薩立像

展覧会の出口近くに展示してある「聖観音菩薩立像」のみ撮影が可能とのこと。
観音様を写真で撮影するなんて恐れおおい……と思いつつ。

大報恩寺・聖観音

大報恩寺・聖観音右から左から

大報恩寺・聖観音
失礼して、斜め後ろから

大報恩寺・聖観音
台座も美しく

大報恩寺・聖観音

光背も美しく

大報恩寺・聖観音

台座も光背も造像当初のままなのは大変珍しいそうです。
それにしても、この薄さと、上部にカーブをつけられるのが不思議で仕方ないのです。光背のあるお姿も見ておきたかった、と今さら思うのでした。

 

図録・グッズ

図録

快慶・定慶のみほとけ展 図録表紙 快慶・定慶のみほとけ展 裏表紙

ページを開けた途端、その写真の美しさに引き込まれました。
1つの像を色んな角度から、全体、そして衣の細かな模様部分や表情のアップなど、ここまで丁寧に写真が載っているのは珍しいのでは!と。
また、本堂解体前の状態の写真では六観音菩薩像の並び順、釈迦如来坐像を囲むようにして配置された十大弟子立像の白黒写真も。

やはり図録を購入したかった、展覧会へは行けないけれど図録が欲しい!という方。
通信販売があるそうです。

絵はがき

度肝を抜かれるほどカッコいいです。
著作権の関係もあると思うので絵はがきの掲載は差し控えますが、図録にも掲載されている小野祐次さんという方が撮影された写真の数々が何しろカッコいいです。

快慶作「十大弟子立像」の大判絵はがきを見ていましたら。見知らぬ方々が「!!すごい!!これ、かっこいい!こういうCDのジャケット写真ありそうじゃない?!」「ありそう!!なんか見た気がする」と会話しているのが聞こえました。
まさに、言い得て妙。
私はこの「十大弟子立像」と肥後定慶作の「如意輪観音菩薩坐像」の大判絵はがきを購入しました。光のあたりかたが絶妙で、仏像の持つ迫力と醸し出される雰囲気がさらに引き立てられているように感じました。

大判絵はがきの他に、通常サイズの絵はがきもありまして。
「馬頭観音菩薩立像」の上半身アップと、膝ぐらいまでのものを各1枚ずつ。
ひたっとこちらを見つめる「阿難陀立像」や、少し上から見下ろした感じの「迦旃延立像」、見上げる形の構図で撮影された「釈迦如来坐像」などなど。

とにかく素晴らしいので、ぜひショップでご覧になってみてください。通常、特別展のショップは特別展のチケットがないと見られませんが。今回は、チケットがなくても誰でも見られますので。ぜひとも!トーハクへお越しの際には、少し足を伸ばして同じ敷地内の平成館へ!!

なんと太っ腹!小野祐次氏の撮影した写真ギャラリーがありました。

ブローチ

木のブローチ「荼枳尼天」

荼枳尼天(だきにてん)のブローチ。

日本では稲荷信仰と混同されて習合し、一般に白狐に乗る天女の姿で表される

Wikipediaより

特に、この展覧会とは、その、ええ、展示にあったとかではないのですが、あまりにもお姿が愛らしくて。
他にも色々とブローチは並んでいたのに、はて何があったのかしら??というぐらい荼枳尼天に心を奪われてしまいました。
どこの会社さんで作っているのか、という情報も台紙にはまったくのっていないのが残念。

荼枳尼天といえば、小説「しゃばけ」シリーズを思い出します。

そのほかのグッズも紹介されているので、よろしければ御覧ください。
そうそう、A4クリアファイルも良かったんです。悩みました。

見てはいないけれど【マルセル・デュシャンと日本美術】展の絵はがきを購入

絵はがきのところでも書きましたが、今回は平成館で2つの特別展が同時開催ということでショップも同じ場所にでております。
【快慶・定慶のみほとけ】展グッズを購入してから、ふらふらと【マルセル・デュシャンと日本美術】展のグッズコーナーも見ていて思わず購入。

マンセル・デュシャンと日本美術展 絵はがき
「龍図」狩野探幽作 東京国立博物館蔵

理由は不明ながら、昔から龍の絵が好きで。

マンセル・デュシャンと日本美術展 絵はがき
左:「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」(部分)東洲斎写楽 東京国立博物館蔵
右:「寿老」(部分)橋本雅邦 東京国立博物館蔵

残念ながら、こちらの「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」と「寿老」の展示は終了してしまっているようですが。気になってきました、こちらの展覧会も。

お時間ありましたら、同時に2展いかがでしょう?

昨年、同じく平成館で行われた【運慶】展があまりにも素晴らしく。今にも動き出しそうな造形に自分の心を見透かされていそうな感じを抱くぐらいでした。ですから”慶派”と呼ばれる方々の作品もみたいと思っていたので今回堪能できてよかったです。
普段はなかなか公開されないという本尊・釈迦如来坐像、そしていつもは別の場所に安置されているという十大弟子立像が一つの同じ空間に並べられていたのが圧巻でした。また、普段は光背があるため見えない背中まで見ることができた六観音菩薩像も、像高164センチほどあるという地蔵菩薩立像の迫力も忘れられません。

町中で見かけるお地蔵様と違い、なんたる迫力!お地蔵様は、六道すべての世界に行き衆生を救うと聞いて、なんとまぁあの可愛らしいお姿のお地蔵様が、と思っていましたが。この迫力を見ると、なんだか納得。

それにしても、木で作られているはずなのに、なんでしょうこの思わずハッとするような生きてる感じ。夜、絶対に館内を歩いてそうだな、という感じ。困っているときに、まさに向こうから救いの手を差し伸べてくれそうな、そんな動きを感じました。

私、残念ながら時間がなくて【快慶・定慶のみほとけ】展しか見られませんでしたが。【マルセル・デュシャンと日本美術】展も面白そうなんじゃないか、と悔やんでおります。
両展が見られる2展セット券もあるそうなので、お時間と興味のある方は是非堪能されたらいかがかな、と思いました。自分は行ってないのになんですが。はい。

 

 

 

 

ABOUT ME
コアラ
館ファン倶楽部の管理をしているコアラです。 週末は映画館か美術館にいることが多いので、家族からは「今日はどこの館(かん)へ行くの?」と聞かれるようになりました。 皆さんのお役に立てるような館情報を提供していけたらなと思っています。

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