クリムトの作品が東京に居ながらにして見られるならば、と欲張って東京都美術館で開催中の【クリムト展】と、国立新美術館で開催中の【ウィーン・モダン展】へ行ってきました。
どちらも個人的にはおすすめで、もっと正確に私の気持ちを書きますと、興味があって、可能ならば2展とも行かれることをおすすめしたいな、と。
まずは、【ウィーン・モダン展】についての感想と購入したグッズ(といっても、今回は絵はがきだけ)について書きたいと思います。
Contents
なぜ私はウィーン・モダン展を勝手ながらおすすめするのか
圧倒的かつ総合的な展示内容だから
国立新美術館で開催中の【ウィーン・モダン展】。4章で構成されていますが、展示品リストがA4用紙の表裏にびっしり展示品名が書かれて4枚。ものすごい展示数です。
その数は、ウィーン・ミュージアムの所蔵品プラス個人蔵のものを合わせ約400点(東京会場)。
なぜ、そんなにも展示できるのか??と思いましたらウィーン・ミュージアムの改修工事があるからだそうです。それにしても、すごい貸し出しっぷり!ありがとうございます。
という訳で、私は展示室に入ってから一度最後の展示室まで歩きまして、途中空いているところを見たりしつつ全体的な展示の様子を把握してから、最初に戻ってじっくり見ました。
19世紀〜20世紀初頭のウィーンにタイムスリップしたかのように、家具・食器・洋服そして絵画、建築、街並みにいたるまで紹介されています。なかなか、ここまで総合的に展示される機会はないのではないかしら、と。
クリムトおそるべし、だから
個人的に、クリムトってぼやっとした、幻想的な絵を描くというイメージを勝手ながら抱いていたのですが。初期作品の原画や、『婦人の肖像』の恐ろしくリアルな感じに一人驚いてしまいました。
美しすぎて、リアルすぎて、怖い、正直いうなら気持ち悪い。美しいのに気持ち悪いって、どういう感性なの??と疑われそうですが。人の手が描き出してるはずなのに、そんなにもリアルで美しいってことがあるんだろうか??という脳内の混乱のなせる技としか書きようがないのですが本当にすごいです。身震いしました。
東京都美術館の展示にもクリムトの習作が展示されていましたが、個人的には国立新美術館の習作のほうが印象的でした。よく、この習作の展示が許可されたな、という作品もありました。あ、もちろん、良い意味で、よく許可してもらえたな、と。東京都美術館の展示で、クリムトは日本美術からも影響を受けており、そのなかには春画もあった、という説明を読み、「あぁ、だから習作も!」と脳内で勝手に納得。
完成したクリムトの作品としては、国立新美術館の展示は少ないように思えるかもしれません。いや、でも、原画がすごいしなぁ。あと、総合的にウィーンの一時代を体感できるという意味でも、ぜひ国立新美術館の展示もご覧頂きたい、と。
個人的に気になった作品
第1章
最初に何が驚いたって、フリーメイソンの影響を受けていた時期がある、ということ。それは皇帝ヨーゼフ2世の統治下のときで、皇帝は会員ではないけれど、フリーメイソンの理想には共鳴する部分があったようで。
いやぁ、有名なあの作曲家もねぇ、フリーメイソンの会員だったんですねぇ。
#ルーヴル美術館展 来場者10万人突破記念🎉
7月5日(木)~8日(日)の4日間限定!ご来場の先着100名様にポストカードプレゼント😊最終日の本日は≪性格表現の頭像≫のポストカード🎁
皆さまのお越しをお待ちしています~✨#国立新美術館 #来場者10万人突破 #ヴル美感謝 pic.twitter.com/VMWAAjlIlR— ルーヴル美術館展 ルー・ヴル美 (@Louvre_ntv) 2018年7月7日
昨年、同じく国立新美術館で開催された【ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか】でも展示されたメッサーシュミットの作品『性格表現の頭像』が、今回の展示にもありました。ルーヴル美術館展で見たものとは材質が違い、今回の展示では雪花石膏で作られた珍しいものだそうです。
第2章
【踊らないウィーン会議!?】「会議は踊る、されど進まず」のフレーズで知られる、ウィーン会議の様子を描いた作品。イメージに反し、出席者はリラックスしているように見えませんか?
それもそのはず。画家は実際の会議の様子を見ることなく、想像で描いたのです。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/wtdA97cKh5— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月30日
この絵に描かれている、椅子の脚にもたれて置かれているカバン。その実物と思われる宰相メッテルニヒのカバンも展示されていました。
シューベルトはウィーンで活躍した音楽家です。強度の近視で眼鏡を常にかけていたそう。本展では、そんなシューベルトのトレードマークでもある実物の眼鏡を展示します。この眼鏡を通して、数々の美しい音楽が譜面に書き起こされたということに思いを馳せるのも楽しみの一つ♪ #ウィーンモダン展 pic.twitter.com/142j7u0HBF
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月22日
わー!メガネだ!と何故か興奮する私。隣で見ていた方も、お連れの方に「すごくない、メガネだって!本人のだって!」とテンション上がってました。わかるー、と勝手に頷く私。
当人が身に付けていたというものって、なんだか興奮しませんか?あれ?
シューベルトが寝るときもメガネを掛けていたのは、起きてすぐに曲が書けるようにしているため、と図録に書いてありました。
この章は、当時の家具、食器、洋服が展示されているのですが、それはそれは美しかったです。こういう服を着た人たちが、こういう食器で、このテーブルや椅子でお茶を飲んでいたのかぁ、というのが想像できて楽しかったです。
19世紀前半には、装飾性を取り除き、シンプルな美しさを取り入れた「ビーダーマイアー様式」のインテリアが流行しました。毎日座る椅子にもシンプルな美しさを。軽やかな直線と優雅な曲線が美しいですね。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/FDMhb8AGHs
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2018年12月7日
思わず手に取りたくなるような可愛らしいティーポット。
実は19世紀前半にウィーンで作られたものなんです。
当時の人たちがこんなティーポットでお茶を飲みながら家族で団らんしていたと想像すると、なんだかわくわくしますね。#ウィーンモダン pic.twitter.com/ZkDLspQauB— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2018年11月9日
1814年頃のウィーンでは、「ビーダーマイアー様式」と呼ばれるシンプルで心地よいデザインが生まれました。それは、家具だけでなくファッションや絵画にまで及び、ウィーン世紀末文化の着想源となりました。ウィーン・モダン展では、ファッションアイテムもご紹介します!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/h4I98IS5Vz
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2018年10月26日
あぁ、こんなに素敵な空間で過ごしたいものだなぁ。でも、どんなに素敵な家具や食器があっても、今の私の部屋は積み上げられた図録や、展覧会で購入したグッズなどが置き場なくぎゅーぎゅー置かれている訳で。いやぁ、まずは断舎離しないと……と現実に引き戻されたのでした。
あと2章で私が一番好きな絵は、ルドルフ・フォン・アルトという人の描いたウィーンの街並み。美しくて、ずっと見ていたかったです。
第3章
【顔に「×」の傷】クリムトに影響を与えた画家ハンス・マカルトの美しい作品。しかし、よーく見ると顔に大きな「×」の跡が。実は、この女性に好意を寄せていたマカルトが、恋に破れて衝動的につけた傷跡なのです。失恋の衝動、ぜひ実物でじっくりご確認ください。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/D5703Ot9xb
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月25日
このツイートを読んでいたのに、すっかり実物で確認するのを忘れました。とほほ。
エリザベートの夫であるヨーゼフ1世は、7歳から幅広い分野で英才教育を叩き込まれ、週50時間ほど勉強をしていたようです。母ゾフィーのいうことは何でも聞いてきたヨーゼフ1世ですが、妻選びだけは別。母に逆らってエリザベートとの結婚を押し切ったのでした。ロマンチックですね♪#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/HyGXKwZOMq
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年2月22日
ヨーゼフ1世のお母さんゾフィーは、本当はエリザベートのお姉さんと結婚して欲しかったそうですね。それが、一緒に来ていたエリザベートに恋してしまった、と。もし、お母さんの言う通り、お姉さんと結婚していたらどうなっていたんでしょうねぇ。
ミュージカルの題材としても有名なエリザベート。美を維持することに異様な執着を見せ、身長172cm、ウエスト50cmというモデル体型を維持するために、過度なダイエットをしていたようです。ストイックすぎたようですが、美を意識して頑張ろうとしているところは尊敬できますね!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/ppO58qeZNz
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年2月19日
ウエスト50センチ?!すごいなぁ。彼女の美への努力を見習いたいと、コラボのジュースを飲みました。
シェーンブルン宮殿の書斎で資料に目を通す、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の姿を描いた作品。壁には悲劇的な死を遂げた妻エリーザベトの肖像画。ハプスブルク帝国の終末期—、老齢の皇帝の姿にみなさんは何を感じますか? #ウィーンモダン展 #ハプルブルク家 #エリザベート pic.twitter.com/IWm8wwnAEW
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月15日
上の作品は、第4章に展示されています。描かれたのは、皇帝が死去するのと同じ1916年。絵の完成が先なのか、彼の死後なのかは分かりませんが。かなり晩年の皇帝の姿であることは間違いなさそうで。
エリーザベトが亡くなってから約18年。どんなことを思いながら、彼は妻の肖像画を見ていたんでしょうねぇ。
ウィーンへ行ったとき、その街並みの美しさに惚れ惚れしたのですが。市内をグルっと巡るリンク通りが、市壁を取り壊した跡にできたものだったと今更ながら知りました。きっとガイドさんは説明してくれてたんだと思うんですけど……。
第4章
私が気になったものをまとめて書いておりますので、実際の展示の順番とは違っています。ご了承ください。
クリムト作品
クリムトが旧ブルク劇場の観客席を記録として描いた、クリムト初期の作品です。一人一人の肖像が緻密に描かれていますね。#ウィーンモダン展 #クリムト pic.twitter.com/sdAoiM1pAg
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月30日
クリムトが、こういう普通の(!)絵を描いていた時期があるとは想像もしてなくて。というか、彼については結婚していないけれど子供が沢山いたとか、猫が好きっぽいとかぐらいしか知識がなかったもので。
この絵の前に、ウィーン市内について紹介されている映像が流れていまして、そのなかでこの作品について触れられていなかったら、ふーんと素通りしていた可能性が。危なかった。劇場を取り壊すので、記録として絵を描くように頼まれたんだとか。
クリムトは、舞台を背にした情景を描き。彼の同僚でもあるフランツ・フォン・マッチュは、客席から舞台を見た情景を描いていたのは、偶然ではなく分担を決めたんでしょうかねぇ。
クリムトと一緒に仕事をしていたというフランツ・フォン・マッチュの作品で、個人的にものすごく好きな作品が東京都美術館に展示されていました。そうなのです、国立新美術館と東京都美術館の展示を併せてみると、楽しさが増えると思うのです。知識も補完されると思うのです。是非。
ヨーロッパでも超一流の劇場で、美しいドイツ語で色々な演劇が上演されているブルク劇場。
天井にはグスタフ・クリムトと弟のエルンストのフレスコ画が描かれており、目を見張る美しさです♪
自画像がないと言われるクリムトの、ほとんど唯一とも言える自画像も見どころです。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/UiZlrBvNzm— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2018年11月30日
そうかぁ、ウィーンには建物にクリムト作品が残っているんですね。東京都美術館の展示では、美術史美術館の壁画の下絵も展示されていました。あぁ、ゆっくりウィーンに見学に行きたいものです。
【クリムト、新たな寓意画】1882-84年の芸術家用のアイディア集『アレゴリーとエンブレム』は、伝統的な寓意画が多くを占めていました(1枚目)。これに対し、1895-1900年の『アレゴリー:新連作』では、クリムトは伝統的なコンセプトは放棄して、独自の新しいアイディアを重視しています(2枚目) pic.twitter.com/RxYwwsRAXY
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月8日
この左側の原画が、すごいんです。若い頃のクリムト作品として最初に展示されているのですが、もう、その場で足が止まってしまうぐらい。後ろから人がこないのをいいことに、ずーーーーーと眺めていました。美しい、美しすぎて怖い。キューピッドが愛らしすぎて悶絶。ちなみに、上のツイートで2枚めに紹介されている作品は、東京会場にはなかったようです。
歴史主義の影響が見て取れる、クリムト初期の作品です。 #ウィーンモダン展 https://t.co/orxXBOOrfo
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月2日
よく知らないながら、ルネサンスっぽい絵だなぁなんて思いつつ見ていましたら、右端にいるキツネの表情に完全に心を奪われました。カエル食べたいのに、これじゃ食べられないよぉお〜!みたいな表情でしょうか。どうやらイソップ寓話の『狐と鶴のご馳走』という話が元になっているようで。
あれ?キツネってカエル食べるんだろうか……?と思ったら食べるそうで。そうなんだ、食べるんだ……。(動揺)
肩を抱き合い、接吻を交わそうとする二人・・・。暗い背景や二人を見下ろす不気味な女たちが、どこか不安さえ感じさせます。
掛け軸のような帯状の構図や、画面の外から植物を唐突に伸ばす手法には、日本美術の影響が見られます。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/sclNs8QpnZ— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年1月29日
幻想的で美しいながらも、背景には不安要素満載。それでいて、額縁の装飾の美しさ。「クリムトって額も綺麗よね」という言葉を国立新美術館でも東京都美術館でも聞きました。私もそう思います。額も美しい!
★開幕まであと2日★
クリムトのデッサンをご紹介。1枚目は、クリムト25歳の作品。2枚目は、39~41歳に「ウィーン大学大講堂天井画」に描かれたもの。3枚目は、40歳の時の大作≪ベートーヴェン・フリーズ≫の習作。
若い頃は輪郭をしっかりと描いていたのが分かりますね。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/MHdI4NtzHd— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月22日
初期の、しっかりとした線の素描とか大好きです。
【兄弟合作】「パラス・アテナ(PALLAS ATHENE)」と刻まれた額縁はグスタフ・クリムトの弟、ゲオルクによるもの。この銅板の額縁は、勝利の女神パラス・アテナを描いたこの作品の好戦的な性格を強調していると言われます。 pic.twitter.com/K761j70u6Z
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月13日
私、この女神は目をつぶっている、と勝手に思い込んでおりました。ですから実物の前で「あれ!目が!」と一人驚いてました。
胸当ての質感、そしてこの作品も額縁が良かったなぁ。銅板の質感と胸当ての質感が繋がっているような感じだし、額縁につけられている模様もいいんですよねぇ。
意外と小さい作品なんだな、と思いつつも、その存在感で大きく見えるといいますか。いや、小さいの大きいの、どっちなのって感じですが。
建築
もしも私が、どういう訳か大金持ちで、なぜか広大な土地を持って19世紀末のウィーンに生まれていたのなら、オットー・ヴァーグナーにマンションの設計を依頼したいと強く思いました。
いっそのこと、なぜか、もしも、私がウィーン市長とかでしたら、もうヴァーグナー氏の思うがままに都市をつくってもらいたかった。当時の市長に、そこまでの権限があったかはまったく分かりませんが。
【ウィーン世紀末。建築は、モダニズムの先駆けだった。】#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/IBcrpr3CyP
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月8日
オットー・ヴァーグナー作のマジョリカハウス花柄のデザインと色使いは、115年以上前の建物とは思えないぐらいモダンでおしゃれですね!女子旅でインスタ映えスポットとして盛り上がれそうです♪是非押さえたいスポットです!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/3nubyawdl9
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年2月1日
★開幕まであと5日★
ヴァーグナーがデザインした郵便貯金局はシンメトリー(左右対称)を重視しており、今も昔も変わらない美しさがあります。
1枚目は100年前、そして2枚目は現在の郵便貯金局です。
約100年前のデザインが今も美しいと思えるのは素晴らしいですね。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/5uAlC1i7DQ— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月19日
展覧会へ行くようになって、しみじみ思うのは。美しいものは、設計の段階から美しいのだ、ということ。特に設計は、出来上がった建物がイメージできるように、そして建築許可をもらうためにも分かりやすく美しく設計図を描く必要があるのかもしれませんが。
ヴァーグナーの設計図は外観・内観どちらも美しい。絵はがきにして欲しいぐらいでした。
ヴァーグナーが設計した教会や美術アカデミー記念ホールの模型もよく出来ていて、展示ケースの周りをぐるぐるして見てました。
アドルフ・ロースは、自身が設計した建物が今も使われていると知ったらさぞ喜ぶのではないでしょうか。まさか、簡素だから、という理由で反対される時代だったとは。
建築家アドルフ・ロースは、現代的な建築物を目指し、装飾を削ぎ落とした建物を設計しました。
窓の上の庇(ひさし)すらない簡素な建物は批判の的になりましたが、窓辺に花を飾ることで解決しました。
今回展示する模型は花が飾られていないロースのオリジナルアイディアです。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/gXNNi2PEX2— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月16日
ホーフブルク宮殿の向かいに建つモダンな建物”ロースハウス”。
当時、歴史的な王宮の建物群と釣りあわないと批判を浴び、一時は建築中止に追い込まれたことも。現在、1階部分は銀行として使われています。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/r8UHyhrMkj— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月12日
クリムトとエミーリエ
結婚はしなかったけれど、クリムトの生涯のパートナーと言われているエミーリエ。 彼女は一体どんな人だったのでしょう。
凛とした雰囲気でたたずむ、この女性は「エミーリエ・フレーゲ」。
恋多きクリムトが最も親密に、生涯のパートナーとして愛した女性です。身につけているゆったりとしたドレスも、装飾的でとてもおしゃれ。
ドレスの柄や背景表現に、日本美術の影響も彷彿とさせます。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/gK5q3Y5i6k— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2018年10月11日
エミーリエ自身は、この絵を気に入っていなかったとか。それをクリムトも知っていたのか分かりませんが、展覧会で高評価を受けたこの絵を美術館に売却したそうです。
そうだなぁ、ちょっと暗い雰囲気だし私もこんな感じに描かれたらあまり嬉しくないかなぁ(って、モデルに選ばれることないんですけど、おほほ)。
ただ、服に描かれた模様や金の使い方は好きです。
こちらの作品『エミーリエ・フレーゲの肖像』のみ写真撮影可能でした。
エミーリエは、姉妹でザロン・シュヴェステルン・フレーゲというウィーンで有名なモードサロンを経営していました。流行りのファッションを販売するサロンでしたが、インテリアにもこだわり、おしゃれな家具が数多く使われていたようです!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/EUezPZ0TT8
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月15日
せっかく服を買うなら、やはり雰囲気も良いところで買いたいですよね。写真で見る限りでも、とてもモダンなサロンだったように感じました。
エミーリエは姉妹とともにウィーンで人気のサロンを経営し、ドレスのプロデュースをしていました。一説には、クリムトが着ていたスモックもエミーリエがデザインしたものだったとか。
本展では、エミーリエが着ていた真っ白なドレスの複製を展示します!
華やかなドレスですね♪#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/zRxMMlBDrB— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月12日
猫が芸術家たちにインスピレーションを与えることは多かったようで、芸術家には愛猫家が多くいるといわれています。クリムトもその一人。大事そうに愛猫を抱く写真を見ると、クリムトが大切にしていたのが伝わってきますね。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/8i7SaaaoEA
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月5日
東京展では、クリムトが着ていた実物のスモックを見ることが出来ます。先日このアカウントでもご紹介した猫を抱える写真をはじめ、クリムトはほとんどの写真でスモックを着用しています。クリムトにとってスモックは一張羅だったのかもしれませんね!肩の刺繍がおしゃれです♪#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/Gfsok7wigl
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年3月8日
クリムトが実際に着ていたスモック!わぁ、やはり大きいなぁ。スモックだから、ゆったりしているせいもあるけれど。いやぁ、これを着て。そうかぁ、なんだろう。メガネと違って布モノというか洋服って、少々ぞわぞわってしますね(さっきはメガネでテンション上がってたくせに)。
そういえばマリー・アントワネットが着ていたという洋服の一部を見たときも、同じように思ったのでした。なんだろうなぁ、やはり肌に直接触れている分、いや、眼鏡も触れてるけど、なんかこう、その人が生きていたことをより本当に感じる気がして。なんだそれ。歴史上の人物が、本当に生身で生活していたんだというのが実感できてしまうというか。
クリムトだったら絵画で、実際に生きていたことを証明できてるわけなのに。でも、あくまでもそれは作品であり、実在することと切り離して見てるのかもしれません。なんで切り離してるのかな。あれ?自分でもよく分からなくなってきました。
エゴン・シーレ
この展覧会のメインビジュアルにも使われているエゴン・シーレの作品。
【2つの顔の自画像】顔の向かって右側の黒い部分、「髪の毛?」と思われたかたも多いのではないでしょうか。この部分、実は陶製ポット。でもよく見ると人の横顔のようにも見えませんか?2つの顔を持つ神「ヤヌス」を意図していたのかもしれません。#シーレ #ウィーンモダン展 pic.twitter.com/jnXKXv07VC
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月23日
疑う余地なく、髪の毛だろうと思っていました。違うのね。良かった、この展覧会に行かなかったら、髪の毛ふっさふさの人という間違った認識のまま生きていくところでした。
本展では、エゴン・シーレの素描の数々を展示しています。書き直しの後がなく、一筆書きのように迷いのない線から、その才能をうかがい知ることができます。#ウィーンモダン展 #シーレ pic.twitter.com/0qjEcbHBIK
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月13日
線が力強い。
シーレのデッサンは、力強い黒の線が特徴的。
訴えかけるような目の描き方や手の動きの豊かな筆致など、
ひとつひとつの線に込められた息遣いを、本展でじっくりご覧ください。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/JIAGKcsfpC— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月9日
1枚目の作品が好きでした。この絵はがきがあれば欲しかったのですが、Tシャツに使われていました。
分離派
ウィーン分離派は、美術市場から独立した展覧会を開催することと、他国の芸術家たちとの交流を深めることを目的としました。「分離派展」のポスターでは、彼らの象徴である分離派会館が描かれています。金色に輝くドーム状の屋根が美しく、いまでも観光名所の一つとなっています。#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/qHKyCIPJ3e
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年1月22日
真っ白なしっくいの壁面と、そこにアクセントを添える金色の装飾が目を引く、モダンで斬新なデザインの分離派会館。上部の金色の球体は当時「黄金のキャベツ」と呼ばれ注目を集めました。ウィーンの芸術シンボルの一つです!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/PErB1pwZKQ
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年1月25日
実際に見てみたいなぁ。
椅子
★開幕まであと6日★
当時のウィーン市長60歳の誕生日を記念して、建築家オットー・ヴァーグナーがデザインした椅子。
素材はローズウッドを使用し、真珠母貝をリベット状にして装飾されています。
刻まれた文字は市長へのメッセージ。
さて、何と書いてあるのでしょうか?#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/aR73jDGiXd— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年4月18日
古代の椅子のようでもあり、モダンでもあり。ちょっと腰掛けてみたくなりました。
ところで、メッセージの内容は図録にも書いておらず。展示の横にあった説明にも書いてあった記憶がないのですが。はて、なんて書いてあるのかしら。
4章は、ウィーン工房による家具、銀を使った花瓶や食器、ゲーム盤、そしてアクセサリー、そしてそして洋服。見事にモダンでした。今で売っていたらいいのに、と思うほど。
購入したグッズ
絵はがき
まずは、絵はがきを入れてくれた袋。
洒落てます。テンション上がります。
そして、絵はがきも洒落たことになってました。
グスタフ・クリムト『パラス・アテナ』
裏面を見ますと、真ん中に渦巻きが。
そう、額縁の模様がデザインされているのです!こういう遊び心のある絵はがき大好きです。
グスタフ・クリムト『6月(ユノ)』(「アレゴリー:新連作」のための原画No.53)
作品の、どの部分が裏面に来てるのか考えるのも楽しみ。
そうきましたか!と一人興奮。
グスタフ・クリムト『彫刻(「アレゴリー:新連作」のための原画No.58』)
右下の頭部だけの女性、語りかけてきそうでした。
グスタフ・クリムト『寓話(「アレゴリーとエンブレム」のための原画No.75a)』
キツネの困り顔が可愛そうだけど、可愛すぎる。
そして、裏面に来ているのは……それは会場でのお楽しみにいたしましょう。気になる方は、ショップではがきの裏面を見てみてくださいませ。
グスタフ・クリムト『愛』(「アレゴリー:新連作」のための原画No.46)
ヨーゼフ・マリア・オルブリヒ『第2回ウィーン分離派展ポスター』
分離派展のポスターでは、こちらがかなり好きです。
ハンス・マカルト『メッサリナの役に扮する女優シャーロット・ヴォルター』
図録
展示品が多いだけに、まとめるのも大変だったんだろうなぁと、素人ながらつくづく思いました。写真がうまく撮れませんでした。もっと綺麗なので、実物を手に取って見てくださいませ。
本当は欲しかったグッズ
オーストリアを代表するファブリックブランド「バックハウゼン」は、ウィーン工房の共同設立メンバーでした。そんなバックハウゼンの生地を使った缶バッジやポーチなどのアイテムが人気!一つ一つ切り取られている柄が違うので、お気に入りのデザインをじっくり探してみてください。#バックハウゼン pic.twitter.com/iXJSAAE8b2
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月12日
私が行ったときは残念ながら種類が少なくなっており、私好みの柄と出会えず購入を断念しました。
本展オリジナルのマグネットは、見た目にも楽しいモダンデザインを取り揃えています。お気に入りの一個がきっと見つかるはず!#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/j7YsMAIVaq
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月9日
買い始めたらきりがなくなる、と思い泣く泣く諦めました。
クリムト愛用のスモックを、本展ではオリジナルTシャツにしてグッズ販売しております。
注目は肩の部分の刺繍。印象的な刺繍を忠実に再現しました。
オリジナルTシャツを着て、クリムトと同じポーズをとってみると面白いですよ。価格:3,780円(税込)#ウィーンモダン展 pic.twitter.com/LEz1zbq63Y
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年6月4日
すごく色も好みだったので欲しかったのですが、サイズがLサイズのみのようで。泣く泣く諦めました。
【マステ好き必見】以前ご紹介した、ウィーンのデザインからとったアルファベットマグカップ。惜しくもマグカップに選ばれなかったフォントがマスキングテープになっています!フォントを切り取ってメッセージを作っても楽しめます✏️#ウィーンモダン #マスキングテープ pic.twitter.com/9m67utyorC
— ウィーン・モダン展 (@wienmodern2019) 2019年5月29日
売り切れてました。無念。
コラボメニュー
美術館へ到着し、まずは一息と思いまして。1階にある”カフェ コキーユ”で一杯。
「美貌の皇后」と呼ばれたオーストリア=ハンガリー帝国の皇妃エリザベート。美を保つために毎日オレンジを食べていたことで有名。オレンジのビタミンCたっぷり、美肌によいヨーグルトドリンクをご用意しました。
美貌の皇后に一歩だけ近づいた気分を味わい、会場へ向かいました。
そして、展示を3時間かけて見終わったあとは国立新美術館の地下一階へ移動。
”カフェテリア カレ”でウィーン・モダン展特別メニューのウィーン風牛肉と野菜のシチュー“グーラッシュ” バターライス添えをいただきました。
お肉が柔らかくて、あっという間に完食。ごちそうさまでした。
まとめのようなもの
ざっと駆け足でウィーン・モダン展をご紹介しました。あくまでも、私が気になったものや好きなものだけで書いていますので。行った人、それぞれに自分の好きな分野や好みのものが見つけられるのではないかと。
そして、クリムトの作品、そして彼が生きていた当時の時代の雰囲気も丸ごと感じ取れそうな空間を堪能いただければ、と。関係者でもなんでもないのに、僭越ですが。