国立新美術館で開催中の【トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美】。
2007年に東京都美術館で開催された【トプカプ宮殿の至宝展】が、とても美しく楽しかった記憶があるので楽しみにしておりました。
Contents
構成
第1章 トプカプ宮殿とスルタン
東京都美術館の展示は割合として宝飾関係が多かった記憶があるのですが(図録を購入していないので、定かではなく残念)今回の国立新美術館での展示品は宝飾関係は第1章に集中していました。
私の思う宝石という概念と、展示されていた吊るし飾りやターバン飾りに使われていた宝石たちとは著しく相違があり。その大きさと厚みに、ただただ呆然としておりました。
宝飾短剣は持ち手がエメラルドで作られ、そして短剣入れは大小様々な石で美しく飾られ。儀式用とはいえ、その宝飾に驚かずにはいられない水筒。(水筒はオスマン帝国の象徴のひとつだそうです)見事な織物で作られたカフタン、皇子用に作られた靴好きズボン。なかでも、シャルヴァル(ズボン)が大きく、ふかふかそうなこと!このズボンを履いたら、どんな感じになるのかしら??と想像せずにはいられませんでした。調べてみると、シャルヴァルはトルコ風モンペという説明も見かけました。ふむふむ。
どの展示品も装飾や文様が美しく、第1章の25点を見るのに5周ぐらいした気がします。
立法者スルタン・スレイマン1世の刀剣は持ち手の部分や刀の上の部分だけに模様があるだけでなく。展示ケースに向かって右横から見ていただくと、背のところにも模様が美しく配置されていました。
【#トルコ至宝展 】エメラルドの柄の《スルタン・メフメト4世の宝飾短剣》①以外にも、本展では他に3点の刀を展示しています。中でも16世紀末-17世紀初頭に制作された日本の《金太刀》②は、19世紀末にオスマン帝国のスルタンに贈られて以来、初めての里帰りです。#国立新美術館 #刀剣 #刀剣女子 pic.twitter.com/S6iyz0cMUf
— 国立新美術館 NACT (@NACT_PR) 2019年4月19日
第2章 オスマン帝国の宮殿とチューリップ
第2章ではスルタンたちが使用した衣装から身の回りの品々(食器やクッションカバーなど)が紹介されていました。彼らが身につけるもの、使用するもの、そして目に入れるすべてのものは美しくあらねばならぬ!といった当時の職人さんたちの熱意を勝手ながら感じました。
職人さんたちの腕の良さ、使われている素材の良さ、そして後世の人々が大切に保管してきたからこそだなぁ、と。
トルコの人々は花が好きだから、という理由だけでチューリップを愛した訳ではなく。チューリップを意味するトルコ語の「ラーレ」をアラビア文字で表記すると「アッラー」と同じ4文字で構成されていること。「ラーレ」のアラビア文字表記を後ろから読むと「ヒラール」となり、トルコ国旗のシンボルでもある「ヒラール=三日月」という言葉になるなど色んな意味合いからもチューリップを愛し、栽培することで幸せがもたらされると考えていたそうです。
衣装やタイルのデザインにもチューリップが使われ、そしてチューリップを飾るための一輪挿し(ラーレ・ダーン)の種類が豊富なこと!宮殿内の装飾も綺羅びやかなイメージがありますが、調度品もそこに加わり、どこを見ても豪華だったのかなぁ、と。
この章では、書家による文字を貼り付けたアルバムや、装丁の美しい本も見られました。まったく文字は読めないけれども、意味はわからないけれども、その流れるような文字の美しさと、それを囲む装飾の美しさに見惚れました。
あと織物も美しいもの、可愛らしい色合いの刺繍、どれを見ても素晴らしかったです。
第3章 トルコと日本の交流
第3章では日本とトルコの交流がされるなかで、どのような品々がトルコへ贈られたか、またトルコから贈られたものを見ることができました。
なかでも個人的に一番感動したのが、トルコから明治23年に贈られた『紫天鵞絨地花文刺繍卓被』。ものすごい刺繍の技術。盛り上がりが美しいんですが、あれはどういう技法なんでしょうか。テーブルに敷いた時のことも考えられてデザインされているそうです。そして、この品々などを載せてきた船がトルコへ帰るときに遭難したエルトゥールル号だったとか……。
日本から送ったもので驚いたのは、高さ150センチほどの花瓶。見事な七宝細工でした。作ったのも見事だし、それを壊さず運んだのも、また壊れずに保管したのも、凄いことだなぁ、とため息。
購入したもの
図録
厚み3センチほど、かなりの手応えです。日本語だけでなく、英語とトルコ語による解説も。
絵はがき
『スルタン・アブデュル・ハミト2世の花押』
これが自分の花押だったら、さぞや毎回苦労するだろうなぁ、と。そもそもどこから書けばいいのかしら。これだけ複雑だったら真似されない、けれど、区別つけるのも大変???
『ピンク色の燕尾型リューリップ』
外側に美しいマーブル紙が使われていました。18世紀のチューリップは、いわゆる私が思っているリューリップとは形が違うんだなぁ、と。とはいえ、18世紀には2000種類ものチューリップがあったそうですから凄い情熱ですね。
— 国立新美術館 NACT (@NACT_PR) 2019年4月25日
『スルタン・ムラト4世玉座図』
スルタンが右手に持っているのはハンカチだそうです。
『スルタン・スレイマン1世のものとされる儀式用カフタン』
12年前に東京都美術館で見たチューリップ模様のカフタンと同じものかと思って勝手に再会を喜んでおりましたが、帰宅して調べてみるとまったく違う模様でした!どうやら今回の展示品の約170点のほとんどが初来日とのこと。それだけ所蔵品が沢山あるんですねぇ。
型抜きポストカードは、こちらの『スルタン・オスマン2世のカフタン』と、第1章に展示されていた『カフタン』の2種類ありました。
裾の”ちら見せ”が粋だなぁ、と。展示も、この状態で展示されています。
ピンズ
約2.3センチ四方です。
このほかにも、いくつか種類がありました。
A4クリアファイル
クリアファイル好きで、模様大好き、タイル大好きな私としては買わずにはいられませんでした。
模様部分をアップにしますと
中に白い紙を入れてみますと
裏面からみると
タイルも売られていましたし、タイルを模したコースターもあった気がします。あった気がする、というのはよく見ると買ってしまいそうだったもので、うろ覚えですみません。
ちなみに、ショップだけの利用も可能とのこと。トルコの小さい敷物なども販売されていたので、気になる方は覗いてみてはいかがでしょう。