東京都美術館で若冲。
そう考えただけで、ちょっと身構えてしまうのは私だけでしょうか。
忘れもしない2016年に東京都美術館で開催された《生誕300年記念 若冲展》。
気がつけば連日、入室まで3〜4時間ぐらいの大行列。
どうしても釈迦三尊像と動植綵絵全幅を人が少ないうちに見たいと思い、私は始発電車に乗ったのでした。すぐに会場は人でいっぱいになりましたが、会場をぐるっと一周埋め尽くす掛け軸を見たあの感動は忘れられません。
と昔話はこの辺にしまして。
大変楽しみにしつつも、あの大混雑を思い出しつつ、《奇想の系譜展》へ行ってきました。いやぁ、楽しかったです。どれもこれも目移りしちゃうぐらい好きな作品が次から次と。後期展示も、必ずしや行きたいと思います。
Contents
混雑状況
2月27日(水)の朝9時半ぐらいに東京都美術館へ到着。
思ったよりも、かなり空いていました。絵の前に1列になって並んでいる箇所もありましたが、こんなにゆったり見られるなんて!!と大感激。
しかし、その後どんどん混んできました。そりゃそうですよね…….。
(より混雑>比較的空いている)
会期終盤>会期序盤
土日祝日>平日
日中>朝方>夕方>夜間
晴れの日>雨の日
入口付近>出口付近という傾向にあります📊
平日・土日祝日ともに、9:30~10:30頃、14:00~15:00頃に来場いただくお客さまが多いです。
参考までに😉
テレビで展覧会のことが紹介されると、また人が増えるような気もします。
私が行ったときは一番混雑していたのが岩佐又兵衛の絵巻コーナーでした。細かい細かい着物の柄や表情をじっくり見たい。という訳で、混んでしまうのも致し方なしといいますか。
山中常盤物語絵巻、第四巻は3/10まで📢
3/12からは第五巻が展示されます😊#奇想の系譜展 #東京都美術館 https://t.co/w5BQqtSCE7
「一列に並ばなくても、空いているところから見ていただいて結構です」と係の方が仰ってましたが、せっかくならば……と最前列で。
そこへ警備の方が「今回の展示で唯一の国宝は、この絵巻の先にございます。期間限定で3月10日までです」。思わず心が動きました。こういう誘導の仕方っていいなぁ。
混雑状況を教えてくれるツイッターの公式アカウントは、こちらです。
『奇想の系譜展』に関係していそうなテレビ番組
月 日 | 時 間 | 放 送 局 | タイトル |
3/9(土) | 18:00〜 | BSテレ東 | 美の巨人たち『奇想の系譜 伊藤若冲スペシャル』(前編) |
3/10(日) | 09:00〜 | NHK Eテレ | 日曜美術館『奇想の画家たち〜江戸絵画に見る”前衛芸術”〜』 |
3/11(月) | 22:55〜 | BSフジ | アートな夜『曾我蕭白 雪山童子図』 |
3/16(土) | 18:00〜 | BSテレ東 | 美の巨人たち『奇想の系譜 伊藤若冲スペシャル』(後編) |
3/17(日) | 20:00〜 | NHK Eテレ | 日曜美術館『奇想の画家たち〜江戸絵画に見る”前衛芸術”〜』(再放送) |
3/19(火) | 21:00〜 | BS日テレ | ぶらぶら美術・博物館『今年の注目度No.1!「奇想の系譜展」~若冲・蕭白・国芳…江戸の個性派・奇想天外な名画大集合!~』 |
グッズ
榮太樓總本鋪のキャンディー詰合わせ
黒糖、抹茶、紅茶、梅ぼ志飴が4個ずつ入っていました。
マーブルチョコ
約6センチ✕9.5センチほど。
マーブルチョコの直径は2.5センチほど。
個体差はあると思うのですが、私が購入した分の内訳を書かせていただきますと
黄色4つ 鬼が2、虎と猫が各1
緑色4つ 鬼が2、猫と犬が各1
ピンク4つ 犬が2、虎と猫が各1
青色4つ 虎が3、鬼が1
絵はがき
伊藤若冲『虎図』(通期展示)
生きた虎を見たことがないけれど、なんとか描きたいという江戸の絵師さんたちの虎が大好きです。
伊藤若冲『海棠目白図』(部分) 前期展示
若冲は一番最初の章だったのもので、すごくゆっくり見たかったのですが他の作品たちも気になって気になって、気もそぞろで見ておりました。もったいないことをしました。
ただ、この作品は前期展示でしたが他の作品は後期展示でじっくり見ることができました。
鈴木其一『藤花図』 前期展示
蔓の最後の最後まで形が綺麗、色のグラデーションの美しさ、時々葉に独特の明るい緑色が使われているところ、何回見てもうっとりします。
鈴木其一『百鳥百獣図』(部分) 通期展示
これも、じっくり、ゆっくり見たかったです。何しろ描きこまれている数も多いし、細かくて、見ても見ても見た気になれないほど。
”屏風”になる絵はがきもありました。
長沢芦雪『白象黒牛図屏風』 通期展示
絵だけでなく、縁があるのもいいですよね。
筋が入っているので、折り曲げることができます。
狩野山雪『龍虎図屏風』
普通の横長絵はがきもありました。こちらは折り曲げることはできません。
長沢芦雪『龍図襖』 通期展示
いいなぁ、長沢芦雪の龍の描き方。うっとり。
A4クリアファイル
買わずにはいられませんでした『象と鯨図屏風』クリアファイル。
MIHO MUSEUMと印刷されているので、MIHO MUSEUMのグッズなのかもしれません。
『白象黒牛図屏風』のクリアファイルも買わずにはいられませんでした。
こちらは、今回の展覧会用に作られたクリアファイルのようです。
若冲のクリアファイルも、後期展示を見に行ったときに購入。
この絵と対面するのは、今回の前期・後期展示を含め4回めなのですが。見るたびに、絵がきれいになっているように見えて仕方ありません。不思議です。圧倒されます。
白い紙を中に入れますと
A5クリアファイル
後期展示を見に行って、買わずにはいられませんでした『象と鯨図屏風』クリアファイル。
こちらもMIHO MUSEUMのグッズのようです。好きだなぁ。
手ぬぐい
青と赤の二色ありました。
私は前売券+奇想手ぬぐいセット券を購入していたのでショップで引き換えてきました。
チャーム
きりがないので、もう芦雪の仔犬グッズは買わないようにしよう、しようと目を合わせないようにショップを歩いていたのですが、やはりこの子を置いていくことはできませんでした。
仔犬以外どんなチャームがあるのかは公式ホームページで見られます。
3/10までの前期展示で個人的におすすめの作品
伊藤若冲
『糸瓜群虫図』京都・細見美術館
【琳派展ポスターヒストリー】本日の一枚は2004年9月17日~12月26日に開催した「琳派展Ⅶ 若冲と琳派―きらめく日本の美―細見美術館コレクションより」のポスター。頭上から大きく枝垂れる藤の花に糸瓜。青空のもと、草花を愛でているかのような爽やかな気持ちに…。 pic.twitter.com/BAF1ndT9z5
『若冲展』のときに初めて見て、また東京で見られるとは思いませんでした。
また同じく前期展示で細見美術館の『雪中雄鶏図』も展示中です。あの雪の感じがなんとも言えません。いまにも、ドサっと音を立てて落ちてきそう。
『海棠目白図』京都・泉屋博古館
イベント・番組目白押しな #奇想の系譜展 より、こちらをご紹介😊
3月10日(日)までの展示、伊藤若冲《海棠目白図》(部分)😃💕
メジロが樹上に押し合うように並んでとまることから、物事が集中してあることを「目白押し」というそうな😮
可愛い❤️
メジロたちの目白押しポストカードも好評販売中😉 pic.twitter.com/WQylD77bNt
本当にメジロ押しで、ぎゅうぎゅうで可愛かったです。絵の前も、ちょっとメジロ押しになってました。
曽我蕭白
『唐獅子図』三重・朝田寺
【蕭白作品 唐獅子図】
見てください、図版では伝わらない縦横2m超えの、この迫力😱阿形と吽形の唐獅子を描いた双幅🦁🦁わざとふざけたような書体の落款にも注目👀
どこか困り顔のような獅子たちの表情が忘れられません。
長沢芦雪
『雲龍図』東京黎明アートルーム
個人的に龍の絵が好きで好きで何故か好きで仕方ないのですが、この『雲龍図』の雲の描き方がとても好きでした。ふわっと雲をかきわけて出てきたような、風の具合でチラッと見えてしまったような、そんな感じがして。龍の表情も大好きです。
『牧童図』東京黎明アートルーム
一瞬、牧童が牛を持ち上げているのかと見間違えてしまいました。牛の表情も、ちょっと目を見開いて驚いているように見えなくもなかったもので……。
完全に個人的な好みですが、今回は何と言っても長沢芦雪の作品がどれもこれも良かったです!
岩佐又兵衛
今回の展示No.52〜59は、もとは六曲一双の屏風(通称:金屋屏風)に描かれていたものだそうです。
3月10日までの前期展示で3作品、3月12日からの後期展示で5作品(うち1作品は3月26日から展示予定)見られるとか。
以前、出光美術館所蔵の『源氏物語 野々宮図』を見たことがあるので、もし3月26日以降に行ければ屏風に描かれた12枚のうち9作品を見られることに。ふむ。やはり行かねば後期展示。
鈴木其一
『夏秋渓流図屏風』東京・根津美術館
何度見ても、度肝を抜かれます。なんとも言えない、この青。
このひとつ前に展示されている、京都・細見美術館の『藤花図』からの『夏秋渓流図屏風』。あぁ、綺麗な絵を描く人なのかと思いきや、この青。すごい。
ちなみに『藤花図』も私は大好きでして、サントリー美術館で見たとき何度も何度も戻ってみてしまいました。こちらも前期展示なので、ぜひ。
あぁ、ぜひ細見美術館へ行ってみたいものです。
3/12からの後期展示で個人的に楽しみにしている作品
伊藤若冲
『蝦蟇河豚相撲図(がまふぐすもうず)」』京都国立博物館
初めて見るので、とても楽しみです。マスク着用していかないと、私の”にやにや顔”を人様にお見せしてしまう気がします。
曽我蕭白
『群仙図屏風』文化庁
もう、どこから目をつければいいのか分からないぐらい目が泳いでしまいそうなぐらいに色々と描き込まれてそうです。
『獅子虎図屏風』千葉市美術館
龍と同じぐらい獅子とか虎の絵が大好きなので、この作品のこの表情に出会えるのが楽しみで仕方ありません。
通期展示で個人的におすすめの作品
伊藤若冲
『象と鯨図屏風』MIHO MUSEUM
展示室へ足を踏み入れた途端に、この作品に出会えるとはまったく思っておらず。
非常にテンションが上がりました。何度見ても見惚れますし、今後も何度でも見たいと思う作品です。波の形、象の表情、全体的な色の感じ。うっとり。
『鶏図押絵貼屏風』
今回、初めて展示されるという作品がいくつかありますが、そのなかのひとつだそうです。尻尾の先まで表情豊かな親鳥たちに比べると、いささか線の少ない子どもたちの表情も可愛いです。
『紫陽花双鶏図』米国・エツコ&ジョー・プライスコレクション
この作品を初めてみたのは、東京国立博物館で2006年に開催された《プライスコレクション展 若冲と江戸絵画》かと思われます。その色の美しさと、今にも絵から抜け出してきそうな鶏の描写は何度見てもハッとさせられます。
『梔子(くちなし)雄鶏図』
『虎図』米国・エツコ&ジョー・プライスコレクション
見てください、この毛並み✨精密な筆重ね、圧巻です🖌️
模写するだけでは飽き足らず、舶来の虎の毛皮を入手し、制作の参考にしたとか😮
その忍耐力、集中力、完璧主義には頭が下がります🙇♀️#奇想の系譜展 #東京都美術館 #若冲https://t.co/DzNCmLJdKx pic.twitter.com/QygR9AhYTw
勇ましい虎が、前足を舐めるというこのポーズ、細かく描きこまれた毛、こちらもついつい何度も戻ってみてしまいます。
若冲《虎図》の賛には「我画物象非真不図、国無猛虎倣毛益摸(我物象を画くに真に非ざれば図せず、国に猛虎無ければ毛益に倣ひて摸す)」とあります🙂
日本に実物の虎がいないので、仕方なく模写しました!という忸怩たる思いを吐露?#奇想の系譜展 #東京都美術館 #若冲https://t.co/DzNCmLJdKx pic.twitter.com/iEeu1rxFkT
長沢芦雪
なぜそこに、仔犬。可愛すぎる、仔犬。どうしても視線がいってしまう、仔犬。
嬉しそう、これから美味しく食べようと嬉しさがこぼれ落ちてますね。
『龍図襖』、『なめくじ図』、『方広寺大仏殿炎上図』も好きです。なめくじの絵って初めてみました。
狩野山雪
これぞザ・狩野派!と心の中で叫びました。このよう障壁画がずらずらっと並べられた空間に座ってみたいものです。
岩佐又兵衛
お待たせしました!
又兵衛工房による新発見の作品を、明日19日(火)より展示します✨
八曲一隻の小屏風には、妖怪たちと武者一行の戦いという珍しい場面が描かれています👀
おはようございます☀️
お待たせしました!
ついに、今日からの展示✨伝岩佐又兵衛、妖怪退治図屏風😂
頑強な武者たちが必死で立ち向かうのは…⁉️
新発見初公開です😃💕
ぜひ会場でご対面を🏃🏃♀️🏃♀️🏃#奇想の系譜展 #東京都美術館https://t.co/DzNCmLJdKx pic.twitter.com/gjLoBGeK9v
鈴木其一
曽我蕭白
虎の毛皮といえば、蕭白《雪山童子図》の鬼👹にも注目👀
ふさふさ虎のパンツ・・・ファーの質感がよく出ています?! #奇想の系譜展 #東京都美術館 #蕭白 #若冲 #虎のパンツhttps://t.co/DzNCmLJdKx pic.twitter.com/4ai8Uoo8Xx
鬼の腕輪(?)の金ピカさに思わず目を奪われました。全体的に、とても色が綺麗で驚きました。これは修復されたのか、もしくは、そのままなのか……。
後期展示へ行ってきました
会期中、何回か土曜日も20時まで開催されている【奇想の系譜展】。3月23日(土)の16時過ぎに行ってみました。やはり、絵の前には列ができている箇所が多かったのですが空いている作品を見ながら1周。見ていないもの、もう一度見ておきたいものを見て1周。そして、ショップで追加購入をしてもう帰ろうかと19時ぐらいに再び展示場入口へ戻ってきたら。
なんということでしょう!
第一章の若冲スペースには数人のみ。ですよね、この時間から入場すると残り時間が少ないのであまり人がいない訳で。もうじっくり、じっくり、『象と鯨図屏風』から見ることができました。
こんなにも若冲作品を独り占めしてて、いいんだろうか??と謎のドキドキ感を味わいつつ。至福眼福。
以前、ジョー・プライスさんの講演会に参加し「じっくり絵と向き合って、絵から何かを語りかけてくるのを待つことだ」という言葉が心に残っておりました。それは、待ってみたい。待ってみたいけれど、日本の展覧会で特に若冲作品ではそれは大変難しいだろうな、と。それが今回実現したのです。ものすごい幸運だなぁ、と。
ジョー・プライスさんが若冲作品と知らずに入手したという『葡萄図』も、とっくり眺めてきました。この作品をプライスさんが見なかったら、若冲という画家の存在が再発見されるのはもう少し先になったかも知れないのだな、と。
この先、土曜日に20時まで開館しているのは、3月30日(土)と4月6日(土)。もし時間がある方は、この日に行かれるといいのではないかしらと思ったり。会期も終盤になると、状況も変わってくるかも知れませんが昼間との混雑具合はかなり違ってくると思います。
人ではなく作品に囲まれている、と感じるあの感覚は今思い出してもゾクゾクします。
ちなみに毎週金曜日は20時まで開館しているそうです。私が上野に近いところに勤めていたら毎週金曜の夜に通いつめるのに。
新・北斎展にも行くなら、このチケットはいかがでしょう ※ 残念ながら新・北斎展は終了しました
現在、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中の《新・北斎展》。もし、《奇想の系譜展》も行くし、《新・北斎展》にも行こうとお考えの方には、こちらのチケットを勝手ながらオススメします。
会期中も一般前売料金でご観覧いただけるお得な新・北斎×奇想の系譜セット券🎫好評販売中🛒
詳細はコチラ↓https://t.co/BPM741SmVv#奇想の系譜展 #東京都美術館 #新北斎展 pic.twitter.com/hQpGtrtbX8
ちなみに《新・北斎展》の会期は3月24日までですので、ご注意ください。