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映画『82年生まれ、キム・ジヨン』のネタバレと感想①

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』を見ました。

これは、これは、うん。なるほど。

決して他人事でも、映画上の話だけでもない話だと私は感じました。この作品を男性が見たら、どんな感想を持つのでしょうか。

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』の登場人物/俳優さんたちについて

 

公式ホームページ・ツイッター

 

 

予告

 

ネタバレあらすじ

ジヨンの自宅

次から次へと家事に追われているキム・ジヨン。

呆然とした表情でベランダに立っていましたが、娘に名前を呼ばれて振り向きました。

精神健康クリニック

専門医チェ・ソヨンを訪れたチョン・デヒョン。自分のことではなく妻のことを相談したいと言います。

本人が来なければという専門医に、先に自分が知っておきたいのだといって携帯電話に入っている動画を専門医に見せるデヒョン。

(この動画が、どんな動画なのかは映画の後半で判明します)

公園

ベビーカーを足で揺らしながら、チェーン店で購入したらしき飲み物を飲んでいるジヨン。

サラリーマンたちがジヨンを見ながら、主婦はいいご身分で羨ましい、仕事がきついから結婚したい、だの聞こえよがしに言ってるのが耳に入り、いたたまれず席を立つジヨン。

自宅に帰れば娘のアヨンは風邪気味のようで、ぐずっています。薬を飲ませ、娘をお風呂に入れているとデヒョンが帰ってきました。

ジヨンは家事で右手首を痛めてしまったようですが、医者は家電が家事をしているのに痛むわけがない、などと言ったようです。

「機械が発達しても人間の仕事は減らない」とフォローするデヒョンに「そのとおりよ。最近はすぐに腹が立つ。変でしょ?」というジヨン。

「いいや、人の痛みを否定するほうが変だ」

一生懸命に娘にご飯を食べさせているジヨン。正月は帰省せずに旅行へ行こうというデヒョンでしたが、今さら何を言うのかというジヨン。

昔、お正月やお盆のたびに帰省するのは大変だと自分が言ったら”我慢しろ”とデヒョンに言われ臨月のときも帰省したこと。それに帰省しなければ責められるのは自分なのだ、と。

何も言えなくなるデヒョン。

釜山

大量の料理を作る義母、その量の多さに困惑するジヨン。おそらく、毎回こんな感じで料理を手伝うことになるのでしょうね……。

机の上には大量の卵も置かれています。

デヒョンは、そんなに大量に作らなくてもいいのではないか。最近は注文もできるし味もいいそうだ、とさり気なく止めさせようとしますが、「年に1度、家族のために腕を振るって何が悪いの」と言われてしまいます。余計なことを言わないで、という顔でデヒョンを見るジヨン。

ならばとデヒョンが洗い物をしようとすると、「うちのデヒョンは今どきの旦那さんね」という義母。「家では全部私が」というジヨンに「我が子を褒めてるのにケチをつけないで」ときたもんだ。

はぁ。

翌朝。

義母のほうが早く起きて台所に立っている音がして、慌てて起きるジヨン。

義母はプレゼントがある、と袋を渡してきました。嬉しそうに袋をあけると、中から出てきたのは釜山建設銀行で並んでもらったという花柄のエプロン。

無料の、です、か。

なんとか笑顔でお礼をいうジヨン。

お母さんも同じエプロンつけてますね。

料理を作ったあとは寛ぐ義母。ですがジヨンは働きっぱなしです。

ようやく帰れそうになったところで、デヒョンの姉家族が来てしまいます。

アヨンに沢山洋服を買ってきてくれました。そこの家族には男の子が2人いるのですが、娘がいることが羨ましいようです。

義姉は旦那の実家へ寄ってからきたようで、大変だったと言ってます。

すると義母はジヨンに向かい「料理を温め直して、果物も持ってきて」と。疲れてるだろうから、と自分の娘には座ったままでいるようにとも。

「ジヨンも疲れたのなら休んで」と満面の笑みでいう義母。

自分だけ台所に立ち続けているのに、楽しそうにしてるデヒョンの家族たち。エプロンをはずし、義母に向かって口を開くジヨン。

 

驚いたのはジヨンが義母に言ってるのではなく。ジヨンの母親になって義母と話している、ということ。

自分の娘が実家に帰ってきて嬉しいだろう、自分だって娘に会いたい。義姉の料理まで用意させて気の毒だ、と。

呆気にとられるデヒョンの家族たち。

デヒョンはジヨンの具合が悪いから、と娘とジヨンを連れそそくさと実家を出ていきます。

途中、姉に電話をかけジヨンはかなり具合が悪いから母親からジヨンへ電話をさせないようにしてくれるよう頼むデヒョン。ジヨンへの気遣いが足りなかったと謝る姉。

ジヨンの実家

実家にいるのはジヨンの父母、姉のウニョン、そして弟のジソク。

母親がデヒョンへ甘酒(シッケ)を持ってきてあげるよう娘(ウニョン)に頼みますが、姉は弟に持ってこさせようとします。

ちなみにシッケというのはウィキペディアによると

炊いたもち米を麦芽粉から抽出した水に入れて発酵させてから砂糖を入れて短時間火にかけ、冷たくしてから、干しナツメ、松の実、柚子の皮、あるいは石榴の実を浮かべて飲む。

 

なるほど、アルコール飲料ではないのですね。当たり前かデヒョンは車を運転してますものね。

1度は拒否したものの姉に言われ「うちは男の立場が弱いんです」というジソク。

「あんたは今まで十分いい思いをしてきたでしょ」というウニョンに「確かにお前を大事に育ててきた」という父親。

実家へ帰ったジヨンは、疲れてずっと寝ているようです。ふと思い出すのは幼かったときの記憶。

回想:子供の頃

壁に貼られた大きな世界地図。

自分の行きたい国にシールを貼ろう!というウニョンとジヨン。

ジヨンはアメリカへ、ウニョンはスウェーデン、デンマーク、フィンランドにシールを貼りました。

なぜ有名な国ではないところへ行きたいのか?と聞かれた姉は、韓国人が少ないからと答えました。理由を聞かれた姉は、教えない!といってジヨンをくすぐりはじめます。

大笑いする2人を「うるさくてたまらない、引っ越してくるなり大騒ぎして」と叱る父方の祖母。

「女の子はおしとやかにしなきゃ」という祖母の後ろで、大きな飴をなめているジソク。手伝うように言われ、部屋を出る前にジソクの頭を小突くジヨン。ウニョンはジソクの飴をなめてやったようです。ふふふ、やるなぁ、お姉ちゃん。

 

台所ではジヨンたちの母親と、母方の祖母(つまり実の親子ですね)が並んで料理をしています。

祖母が見つめているのは娘の左手人指し指にできている長い傷。

どうやらジヨンの母親は、自分の男兄弟たちの学費を稼ぐために苦労をしたようです。それを気にする母親に、いい加減にしてとイラつくジヨンの母親。どうやら自分の末の弟?とは仲違いをしているようです。

ジヨンの母方の祖母は、素敵な家で数日間くつろげた、と父方の祖母に話しかけます。

「うちの息子には贅沢させてもらっています」という父方の祖母。「私の娘婿は本当に立派です」と大人の対応をする母方の祖母。

そして「結婚したら少なくとも4人は息子を産むべきです」と言い出しました。そして自分の嫁(ジヨンの母)にも、もう1人産んで欲しい、と。

「ジソクだけじゃ心細い」という祖母に「おばあちゃん、息子たちは会いに来ないのに、そんなに息子がいい?」とナイスツッコミなお姉ちゃん。

ジヨンは「私が親孝行する」と笑顔で母親に言います。

「お嫁に行ったら実の親のことなんか忘れる」という父方の祖母。それって、自分も忘れたってことですか?

「ううん、そんなことない」というジヨンに「たくさん食べなさい」と言ってくれた母方の祖母。

母方の祖母と姉、自分の写真を見つめる現在のジヨン。

ジヨンの実家

目を覚ましたジヨンは、万年筆を手にしていました。

昔、父親がイギリスへ行ったときにジソクにだけ万年筆を買ってきたようです。

自分たちにはノートだったという姉。「また始まった、やれやれ」という父親。

「義兄さん、姉さんには気をつけて。10年間も僕にあの万年筆をねだり続けた」というジソク。

「あげればいいのに性悪ね」という姉。

ジヨンの家

義母が料理をもたせてくれなかった、と不思議がるジヨン。

どうやら自分の母親になって、義母と話したことは忘れているようです。デヒョンは食べ飽きたから断った、とフォローすると「覚えてないわ。最近物忘れがひどい」と答えるジヨン。

デヒョンは、産後うつになる人もいるらしいからとジヨンを気遣いますが自分は大丈夫だというジヨン。

「昔のことを思い出したり、夕方憂うつになったりはする。でもたまによ」と。

精神科へ行くよう勧めると、憂うつな原因を聞きに行こうか?と答えるジヨン。評判のいい病院があるから、と電話番号を教えたデヒョン。

出社前に玄関で、ぎゅーーーっとジヨンを抱きしめます。最近どうしたのか?と尋ねるも何も答えず出ていくデヒョン。

回想:会社勤務

ベビーカーを押していると、お店の店頭で主人と女性客が会話をしています。

自分が最初のお客で申し訳無さそうじゃ女性。どうやら、1日の最初のお客が女性だとツキが落ちるという迷信があるようです。

店主は迷信を気にしないでください、それにうちは女性客ばかりだとフォロー。

そこへ店主の娘が出勤のために出ていきます。自分もその女性と同じように働いていたときのことを思い出すジヨン。

ある日、企画チームに選抜された人の名前が廊下に張り出されていました。自分が選ばれず、がっかりするジヨン。

着席すると、隣に座っている同僚・ヘスが言葉はないけれど慰めてくれました。

しかし選ばれた男性は浮かない顔。企画チームのチーム長は出産後1ヶ月で復帰してるし、”強い女”だ。

チーム長の旦那は、嫁の実家ぐらしで偉い、とか言い出す男性陣。子供はチーム長のお母さんが面倒を見ているようです。

理事が到着し会議が始まろうとしています。

会議の前の雑談で、チーム長の子供は中学生なことを知った理事。

「そりゃ大変だ。そろそろ反抗期だぞ。母親の愛情に飢えた子はひどく反抗する」

「母が立派に育ててくれました」

「祖母じゃダメだ。母親が育てないとな。いくら仕事で成功しても子育てに失敗したらおしまいだ。心配だよ」

えー、それ、自分へのブーメランですけど?男性は子育てしないで仕事だけ成功すればいいってこと?おかしくない?

黙って頷く男性社員2名。

「広告のコピーにしては?”母親に育てられずグレた子供の栄養剤”’母の愛を込めた’」

「働く母親たちに殴られそうだ」という理事に「なら私も殴らないと」と言われ絶句する理事。

うひゃひゃと笑うと「返す言葉を失うだろ。怖くてたまらない」とごまかそうとする理事。

「だからチーム長は生き残れた。本当に残念だな、男に生まれるべきだった」

はぁ、大きく溜息をついてチーム長は立ち上がると「理事……会議を始めますか?」とおどけたポーズをとりました。理事も、自分の言葉が許されたと思い同じポーズを返したようです。

見たことある、こういう光景。

見たことあるわぁ。すっかり忘れていたけれど。仕事できる女性に向かって、「怖い怖い」だの「子供は産まなくていいのか」だの揶揄ってた男性社員たち、いたわ…。

その女性も、笑顔で接してたなぁ。すごい辛辣なことを口では返しつつ、でも笑顔だから男性社員たちも冗談ってことにしようとしてた。ああ、嫌な光景だったなぁ。

すっかり忘れていた、というか、不快だから思い出したくなくて蓋をしてたんだなぁ、と。

この映画、このあともそんなことがてんこ盛りなんですよね。

会議の後で、チーム長に呼び出されるジヨン。

ジヨンの仕事ぶりを褒めてくれました。ジヨンは思い切って自分が企画チームに選抜されなかった理由を聞いてみます。

すると能力は認めているが、5年以上の長期企画で女性は結婚や育児で続けるのが難しいし、ジヨンの負担になると言われました。

自分は頑張れると答えますが、「ジヨンさん、私は幸せに見える?」「はい」「どこが?よき母とは言えないし、よき妻であることは諦めた」「素敵です。私もチーム長のように結婚後も頑張れます」

保育所

娘を保育所へ送り届けると、同じ保育所のママから自分の家でお茶をしないか?と誘われました。

一度は断ったジヨンでしたが、結局は行くことに。

誘ってきた女性は、不思議なことに数学の問題を解くと心が落ち着くのだと言います。どうやらソウル大学の工学部出身とのこと。

「なぜ必死に勉強したのか…」という女性に、別のママから「子供に九九を教えるため?」と混ぜっ返されました。

ジヨンは国文学卒で、小説家になる夢があったものの卒業後に広告会社に勤務したそうです。

他には「子供に読み聞かせをしたくて演技を専攻した」という女性も。読み聞かせは冗談で、本当は夢を諦めたんだろうなぁ。

帰り道、パン屋さんでアルバイトの募集広告を見つけるジヨン。お店から出てきた女性は、午前中だけでも働けること。簡単な仕事だ、と言ってくれます。

募集のチラシを貰い歩いていると、同僚だったヘスから電話がかかってきました。

 

ジヨンの自宅

ヘスを自宅に招くジヨン。

娘の写真を見せていると、旦那は元気そうなのに、ジヨンがやつれていると心配してくれます。

そして、チーム長が会社を辞め起業することになったと教えてくれました。能力があっても昇進できないのが理由だそうです。

ミジョンという人は、その会社へ移籍することに。

ヘスは昇進したので会社に残ることにしたそうです。

そしてチーム長に電話をして仕事を再開したらどうかというヘス。しかし本格的に働くのは難しいというジヨン。

それなら今は難しいかもしれない、というヘス。

これも難しい場面ですよね。立ち位置が違うからなぁ。ヘスさんは結婚してないし子供もいないし。

だからヘスは働き続ける必要があるけれど、ジヨンは無理して働かなくていい環境があってよかった、という悪気のない言葉なんだけれど。今は難しい、という意味合いなんだけれど。

ヘスが帰ったあと、暗い顔をしてインターネットを見ているジヨン。

ジョブ・コリアというサイトで自分の経歴などを入力して仕事を探してみるも、条件に合う求人がありませんの文字。

 

会社

デヒョンは会社のパソコンで”育児うつ”を検索しています。

次は”憑依”も。

すると同僚がランチを食べに行こうと誘いに来ました。

屋上で食後の珈琲を飲んでいると、男性2人がこそこそと携帯電話で何かを見ています。怪しげな卑猥な画像をシェアしているんだろう、というデヒョンの同僚。

いや、真っ昼間から??

別の同僚は、仕事以外のことをする暇があって羨ましい。自分は妻の機嫌取りや子供の遊び相手で時間がない、とぼやきます。

話の流れで、友人の妻がたまに別人が乗り移ったようになるようだ、と話すデヒョン。

本人が知ったら症状が余計にひどくなるという同僚。そのうち刃物を振り回し、夫はそのうち刺される、とか好き放題いわれてしまうのでした。

本当はデヒョンの話なのに。

 

ジヨンの自宅

デヒョンがビールを飲んでいると、ジヨンは洗濯物を畳んでいます。

デヒョンは軽い運動を始めたら、気持ちも晴れるかもしれないとジヨンに言います。昼間にインターネットで仕入れた鬱を改善する方法ですね。

「そんな暇はない」と答えたジヨンでしたが、ならばパン屋でバイトをするといい始めます。

ジヨンの体を心配したデヒョンは止めさせようと、つい声を荒げてしまいました。

そして「好きでもない仕事を君にさせたくない。疲れ切ってるだろ」と。ジヨンは体を気遣ってくれてありがとう、とだけ答えました。

 

うたた寝していたデヒョンが目覚めると、ジヨンがビールを飲んでいます。

「デヒョン、ジヨンがつらそう。体は楽になっても気持は焦る時期よ。”ご苦労さま”、”ありがとう”と言ってあげて」

「ジヨン」

「そんなに妻の名前を呼ばないで」「やめろ」「私はもうあなたに告白したスンヨンじゃない。まったく」

泣き出してしまうデヒョン。

 

精神健康クリニック

スンヨンは大学の同期で、妻の先輩にあたると医者に説明するデヒョン。

昨年、スンヨンが亡くなってしまいジヨンは深く悲しんでいたこと。それが原因なんだろうか?と聞きますが、医者は「ご本人と話さなければ」と。

 

ジヨンの自宅

この間、自分がビールを飲んでないのに口がお酒臭かったというジヨン。

精神健康クリニックの名刺をジヨンへ渡し、必ず病院へ行くようにいうデヒョン。

 

精神健康クリニック

デヒョンと約束した通りクリニックへ行くジヨン。

自分の番になる前に、母親に電話をします。しかし食堂の仕事が忙しい母親は、また後で話そうと電話を切ろうとするのです。

週末にある母親の誕生日会には行く約束をするジヨン。

いよいよ自分の番になり部屋へ入るジヨン。

書き込み式の3つの検査費用が35万ウォンぐらいかかると聞き、帰ってきてしまいます。

ジヨンの家

深刻な症状じゃないし、お金が無駄だから受診しなかったというジヨン。

そんなに自分は変なのか?なぜ通院を勧めるのか?と聞かれ、素直には症状を言えないデヒョン。同僚が無責任に、本人が知ったら症状が悪化すると言われたことを気にしているのかもしれません。

長くなったので、その2へ続きます。

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』のネタバレと感想②

 

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コアラ
館ファン倶楽部の管理をしているコアラです。 週末は映画館か美術館にいることが多いので、家族からは「今日はどこの館(かん)へ行くの?」と聞かれるようになりました。 皆さんのお役に立てるような館情報を提供していけたらなと思っています。

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